スバル R2 試乗レポート

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:原田淳
スバル R2 試乗レポート
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何にも似ていない非なるものとして誕生---スバル R2

フロントスタイリングリアスタイリング

スバルから登場したR2は、ただ新型の軽自動車というだけじゃない。軽業界に新しい流れを提案したのである。

現在の軽自動車界は、なんだかんだいってもまだまだマルチワゴンが主流を占めている。もうひとつの大きな流れとして、タワーパーキングに入る全高1550 ㎜軍団というのがあるのだが、どちらにしろスペース効率追求型であることに違いはない。そんな中にあってR2は、スペース効率をまるっきり無視したと言ってもいいカタチでデビューしたのだ。

R2のコンセプトは「個性的なデザイン&パッケージング」「優れた燃費性能&安全性」「使いやすくキビキビとした走り」の3本柱。すべてにおいて安全性の高さが最優先されているのは言うまでもないが、中でも特筆モノはそのデザインだ。

毎日をワクワクしたものにしたいと、質感の高さにとことんこだわり、何にも似ていない非なるものとして誕生したR2。スバルの挑戦を感じずにはいられないのだ。

パズルのような巧妙な組み合わせ---機能とデザインの両立

インパネフロントシート

デザイン全般は航空機メーカーをルーツに持つスバルらしく、翼をモチーフにしたスプレッドグリルをメインテーマとしているが、ひとつのモチーフにこだわるのではなく、インテグレートされたドアハンドルなど、さまざまなカタチをパズルのように巧妙に組み合わせているところが新しく面白い。多様なカタチを取り入れるとバラバラになりがちだが、すべてが不思議とまとまっているのだ。

インテリアもまた然り。化粧品のコンパクトに使われるようなパール感のあるインパネや、樹脂部分に使われた幾何学シボにスバルの星マークが隠されていたりと、ワクワク感を生む試みが盛り込まれている。

デザイン先行型ではあるものの使い勝手的にも抜かりはなく、逆三角形のドアミラーも下方と横端の美味しいところが張り出しており、かなり広い視界が確保できているし、ルームミラー越しの後方視界も十分だ。

このように機能とデザインが見事に両立しているのは、例えば私のような小柄な女性でも、きちんとドライビングポジションが取れるなど、基本はしっかり押さえているところにポイントがありそうだ。

乗り心地と運動性能を両立させる絶妙なまとめ方

エンジン試乗

R2のパワートレインは3つ。プレオから熟成されたNA SOHCエンジン(i)と、新開発のNADOHCエンジン(R)、そしてプレオから-19kgの軽量化が図られたスーパーチャージャー付きエンジン(S)だ。スーパーチャージャーモデルは7速i-CVTのみの組み合わせとなるが、他は5MTも用意されている。

目玉となるのは新開発のNA DOHCエンジンモデルで、驚くべきは24.0km/l(5MT)というその燃費のよさだ。さらにエコモードなるものも付いているのだが、立ち上がりの部分でよくよく注意しないとわからないくらい走り味がほとんど変わらず、我慢の走りとは無縁なので、実際に使う気になるモードなのが嬉しいところである。

足回りはスーパーチャージャーを搭載するSグレードでも、スタビライザーの追加や15インチタイヤの装着にとどまっているくらいで、運動性能をウリにした場合よくありがちな過激なものではなく、しっかりとロール感を出した安定感の高い味付けとなっている。ハンドリングは個人的にはもう少しキビキビ感を持たせたほうが好みではあるが、乗り心地と運動性能を両立させる絶妙なまとめ方は、走りには定評があるスバルの軽自動車らしいところだ。

自らハンドルを握って楽しむ、ファントゥドライブカー

試乗ヘッドライト

R2の美点のもうひとつに乗り心地がある。それには足まわりのセッティングはもちろんだが、シートも大きく影響をもたらしている。前席のシートにはアクティブセーフティ機構が付いていなくても、十分な安全性能が得られるようにと、軽自動車としてはかなり大きなしっかりとしたものが装着されているが、ダンピングが効いていて、ロングドライブでも疲れにくそうな座り心地を実現しているのだ。

その代わり後席は、着座位置が高くなるシアター方式が採用されていないこともあり、開放感の面ではかなり厳しいものがあるのも事実。ラゲッジスペースも期待はできないので、自分でハンドルを握って楽しむ、ファントゥドライブカーとしてオススメしたい。プレオのマイルドチャージモデルと比べて約70kgの軽量化は、絶対的に車重の軽い軽自動車には驚くほど効いていて、軽の枠を超えた小気味よい走り味が堪能できるハズだ。

個性的なスタイリングは街中にもほどよく溶け込みつつ人目を惹くのは間違いないし、是非スタイリッシュに乗ってもらいたいと思う。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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