スバル レガシィ ボクサーディーゼルエンジン搭載 海外試乗レポート(1/3)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:富士重工業株式会社
スバル レガシィ ボクサーディーゼルエンジン搭載 海外試乗レポート
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今必要なのは、欧州基準という考え方

とある自治体の主が煤の入ったペットボトルを振りかざし、ディーゼルエンジンのダーティさをアピールした例のパフォーマンスはまだ記憶に新しい。実際、製作者(メーカー)にも使用者(主として運輸業界)にもコスト負担を強いる先進のシステム導入が不可欠な厳しい規制の導入には及び腰だった国の政策により、当時の日本のディーゼル車が吐き出す排ガスのクリーン度は、欧州のディーゼル車には遠く及んでいなかったのだ。

しかし、そんな”誤った保護政策”は、結果的にむしろ日本のディーゼルエンジンの発展を停滞させる事に繋がった。イメージが重視される乗用車用エンジンとして生きる道は事実上絶たれる事になったし、トラック/バス用エンジンでは、クリーンな排ガスと低燃費を両立させる技術で欧州勢に後塵を浴び、国際競争力を低下させるというオマケまで付けるに至ったのだ。需要が無いから国内販売しない→それゆえ優秀なディーゼル車は生まれない・・・これが日本のディーゼル乗用車を取り巻く現状そのもの。

そんな一方で、Co2排出量の少なさを環境対策につながると考える欧州では、低燃費=ランニング・コストの小ささもあってディーゼル乗用車は大人気だ。こうなると、欧州マーケットにじっくり腰を据えるためには、もはやディーゼル車のラインアップは不可欠になる。スバルが今、同社の歴史上で初めてディーゼルエンジンをリリースする背景は、まずはココにあると知って欲しい。

2L 4気筒のボクサーディーゼルエンジン初披露

スバルの基幹モデルであるレガシィ・シリーズに初めて設定されたディーゼルエンジンは、2L 4気筒という基本スペックの持ち主。エンジンの基本骨格を決定づける“ボア・ピッチ”は、同社最新のガソリン・エンジンである6気筒ユニットと同数値。両者の生産ラインを共用して合理化を推進したいという動きがここに読み取れる。

ブロックのデザインはもちろん水平対向。これが、大きなメリットとデメリットの双方を生み出すのは見逃せないポイントだ。前者には、ピストンの対向運動による振動の打ち消し効果や、クランクシャフト/ケースの短さによる高剛性構造などが該当し、後者には、汎用性が小さい事に起因する根本的な高コスト体質などが想定される。

そもそも、水平対向エンジン搭載のスバル車では、ボディ構造そのものがそうした”特殊なエンジン”の搭載を前提としたもの。そのため、欧州では一般に行われる「他社とのディーゼルエンジンの融通(売買)」が極めてとりにくいというハンディキャップを背負っていて、これが独自開発のエンジンを「搭載せざるを得ない」という状況にも繋がっているのである。

エンジンエンブレムメーター
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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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