2009年上半期ベスト・バイ・カー【国産車】/松下宏
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:原田淳/小平寛
トータルベストカー/トヨタ プリウス
今年のクルマとしてプリウスがぶっちぎりになるのは仕方ない。
今年上半期に登場したどのクルマも、プリウスほどのインパクトを持たないからだ。
外観デザインがキープコンセプトで、ハイブリッドシステムもキャリーオーバーだったりするのだが、それでも燃費性能や走りのパフォーマンスが向上し、確実に進化を遂げている。
走りのフィールはグレードによって異なるタイヤやショックアブソーバー、電動パワーステアリングなどによって違いがあるが、ツーリングセレクションを選べば十分に満足できる。
強いて言うなら、Lのような価格と燃費だけを訴求したグレードは設定しない方が良かったし、インサイトとの違いを強調しすぎるのもいかがなものか。
ベストハンドリングカー/スバル レガシィ
新しいレガシィはアメリカ市場を意識して作られたため、ボディサイズが大きくなりすぎたことが大きなマイナス点としてあるが、実際に走らせてみるといろいろな面でとても良くできている。
2.5Lエンジンは自然吸気でも十分なトルク感があり、CVTとの組み合わせで滑らかな走りを可能とする。
CVTでは欠如しがちなリニアリティにも不満はなく、自然吸気で十分という気持ちにさせる。
ターボ仕様エンジンを搭載したGTは、余裕の動力性能を発揮するとともに、一段と高い安定感を獲得した足回りのデキの良さも魅力となる。
SIドライブやSIシャシーなど、最新の仕様をしっかりと取り入れて自在の走りを実現した点も評価される。
ベストデザインカー/マツダ アクセラ
個人的には必ずしも好きなデザインではないが、ほかのどのクルマにも似ていない独特の存在感のあるデザインであることを評価したい。
特に、大きな口を開けたフロントグリルは見る人をはっとさせるものがある。
この大きなグリルとヘッドライトを正面から見たとき、爬虫類的に見えるという人もいるが、それはそれでインパクトのあるデザインであることを示している。
アクセラを見て好きだと思う人は強く好きだと思うだろうし、嫌いな人は見たくもないくらいに嫌うと思う。
決して私自身も好きなデザインではないが、好き嫌いのはっきりするデザインであること自体はとても良いことなので、そのことを高く評価したい。
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