スバル インプレッサXV 試乗レポート/マリオ二等兵(2/2)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:オートックワン編集部
蓄積されたノウハウの集大成が反映されているサスペンションセッティング
そんなスバル車随一の大ヒットオシャレモデルのXVですが、もちろん見た目だけのクルマではありません。
長年にわたり車高アゲ系モデルを作り続けたことで蓄積されたノウハウの集大成が、サスペンションセッティングに反映されております。
スプリングやダンパー、スタビライザーなどはもちろん専用品ですが、とにかくアンチロール性が高く、最初のコーナーでコーナリング速度と安定感の高さに度肝を抜かれました。一瞬、「コレってSTIチューンのコンプリートカーだっけ?」と考えてしまったほど、キツメのコーナーの奥で心地よい高めの横Gを発生させるのです。
重心が高いクロスオーバー車にありがちなオットット感は微塵もなく、峠道では思いがけずハイなテンションで運転を楽しむことができました。
どちらかというと低燃費志向の、絶対的なグリップは決して高いほうではないタイヤを履いているのに、まるでサスペンションから真下に伸びた長~い杭が地面深くまで突き刺さっているかのような感覚を伴うロードフォールディングに悶絶です。物理的に考えればオカシイのは承知の上ですが、NAインプレッサのベスト・ハンドリングと評させていただきます。
スタイリング良し!走行良し!!燃費良し!!!
乗り心地は国産の同クラスの中ではやや固めで、路面によっては前後のピッチングが気になる瞬間もありますが、欧州のライバル車と比べれば際立って固いとはいえない程度です。
高速巡航時の安定感と静粛性の高さもまったく文句なし。燃費は、低燃費走行を意識せずともJC08モードの15.8km/Lは簡単に越えられました。
悪路走破性については、今度発売する新型フォレスターの方に軍配が上がるでしょうが、スバルのAWDは全車ともナンチャッテ四駆ではないので、少なくとも同クラスの都会寄りなクロスオーバーSUVよりは、はるかにヘビーデューティな走りにも応えてくれるはずです。最低地上高は200mmもあり、豪雪地域での走行にも高いレベルで対応できるでしょう。
スタイリングに惹かれてXVを買った非スバリストユーザーが乗り味に悶絶し、「スバルってすげー!」と驚きながら真性スバリストと化していく。XVにはそんな効能が期待できそうなので、まったく喜ばしい限りであります。
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