スバル 新型WRX STIが早くもレース参戦! ~「ニュルブルクリンク24時間レース」参戦車両 レポート~ マリオ高野(2/2)

スバル 新型WRX STIが早くもレース参戦! ~「ニュルブルクリンク24時間レース」参戦車両 レポート~ マリオ高野
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2014年モデルは初のシーケンシャルシフトを採用し、“攻めの姿勢”を見せる

スバル 新型WRX STI

この日、初めて新マシンのステアリングを握った吉田寿博選手は、「ベース車が新しくなり、ボディがしっかりしたことで、サスペンションが良く動くようになったという印象です。旧マシンと比べて接地感がすごく良くなったので、安心感がさらに高まりました。ウェットなどでも自信を持って攻められるので、“雨ウェルカム!”という感じです!(笑) 今年は雨でも絶対にライバルに勝たねばなりません!去年の雪辱に燃えています!あとは、我々のチーム力が発揮できれば勝てると確信しています。

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新しいレーシングカーは、普通だと最初の段階では腫れ物に触るように慎重に扱いながら探っていくことが多いのですが、新マシンはそういう神経質さは皆無で、すでに完成度が高いことを確認。勝負事はやってみなければ何が起こるかわからない怖さがありますが、今日走ったことで、優勝への自信が深まりました。

ニュルのレースでは、ピットの給油機が他車で塞がってしまうことがあるので、待ち時間のロスが出たりしないよう、他チームのピットのタイミングなどは注意したいですね。あとは、我々のチーム力が発揮できれば勝てると確信しています!」と、去年の悔しさを晴らすことへの強い執念が伝わってきました。

ただ熱く燃えているだけでなく、ピットインのタイミングなど、冷静に戦術を練っておられる様子も印象的です。

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2013年の旧マシンに新しいパーツを組んだマシンのテストを行っていた佐々木孝太選手は、「試作のパーツ装着車から好印象でしたが、実際に新マシンに乗ってみて、おおむねイメージ通りで大きな問題はありません。

新マシンとはいえ、監督が試乗テスト済みなので、すでに出来上がっています。実走テストはしてるし、ベース車が刷新されても、これまでの6年間蓄積されたノウハウが注入されているので不安はありませんね。

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もちろん、細かいバランスや挙動には修正の余地はあり、それを伝えましたが、チームのセッティング能力に絶大な信頼を置いているので本番では完璧に仕上がるでしょう。

我々にとっては“勝つしかない!”という重圧のかかる状況ですが、手応えは十分に感じられています。ちょっと細かいことをいうと、ステアリングのスイッチ(ウインカー/パッシングなど)の位置が自分の手(比較的小さいといわれる)には微妙に合わなかったですね。毎年指摘して、毎年改善されるけど毎年元に戻っちゃう(笑)」

スバル 新型WRX STI

チーム監督として2年目となる小澤正弘監督は、

「新マシンのポイントのひとつにシーケンシャルシフトの採用があります。去年採用できなかった理由は耐久性と信頼性に問題ありと判断したからです。

マシンは1台しか出せませんし、少しでも不安があれば使いません。量産パーツ以外の信頼性については、量産車クオリティになるまでは使わない方針です。

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新しいギヤボックスは、去年からニュル24時間の何倍かの距離を走り、走ってはバラし、走ってはバラしを繰り返し確認しながら入念なテストを実施しました。以前のギアボックスは耐久性が足りなかったのですが、ようやく信頼性が確保できたので今年から新採用しました。

“できるだけノーマル”をうたいながら、シーケンシャルシフトはノーマル車には採用されないという矛盾については、従来のH型シフトのミッションは、過去6年間のニュル24時間レース参戦でノントラブルで、その優秀さと耐久性の高さを証明できました。

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そこで、今年は新たな技術へチャレンジする意味でも採用したのです。また、シーケンシャルシフトはドライバーの負担を軽減する効果も大きく、日本人だけではく、左ハンドルに慣れた外国人ドライバーでもミスの恐れがなく負担が軽減できる効果もあります。

エンジンについては従来型を踏襲していますが、インタークーラーの位置を見直しています。より効率良く冷えるように、より奥に配置して角度をつけ、風が当たりやすいようにしています」

と語られました。信頼と実績のある従来型ギヤボックスではなく、新しいミッションを採用することで、チームは“攻めの姿勢”にあることが理解できました。

新モデルには“安心して運転を楽しみながら速く走るためのエッセンス”が凝縮されている

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また、今年も例年と同じくスバルディーラーから派遣されたディーラーメカニックが参加。

上石正輝氏(新潟スバル)、中村亮介氏(富士スバル)、木山慎也氏(大阪スバル)、太田浩史氏(京都スバル)、島崎宣聡氏(兵庫スバル)、梅村達志氏(東四国スバル)の6名です。

すでにニュル24時間などのレースメカニック経験者は100名ほどに達したようで『コンマ1秒を争いながら100%完璧な整備を行う』ための技術は全国のスバルディーラーで、我々ユーザーのクルマの整備に注がれていると思うと頼もしい限り。

佐々木孝太選手は、「ディーラーから派遣されたメカニックは量産車の整備に精通しているので、時にはレースメカニックよりも細かい点に気がつくこともあり、すごく頼もしい存在です」と語られるなど、レース現場でも強い武器のひとつになっているようです。

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最後に、次期型WRX STIの開発をまとめたスバルのプロジェクトゼネラルマネージャーの高津益夫氏は、「新しいWRX STIは、これまでのスバルのモータースポーツ活動で培った、安心して運転を楽しみながら速く走るためのエッセンスが凝縮されています。高次元のボディ/シャシー性能により、走りの質の高さは格段に向上していますので、レースカーでもそのポテンシャルを存分に発揮してくれるとを信じております!」と語られました。

新型WRX STIの性能は、発売される前にいきなり世界一過酷なサーキットでのレースで試されるという異例のデビューとなりましたが、それだけに楽しみで仕方ありませんね!

ニュルブルクリンク24時間レースは6月19~22日にかけて開催。

スバルユーストリームチャンネルでも中継され、応援メッセージなども送れる予定なので、スバルファンの皆さんは熱い応援魂を送りましょう!

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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