スバル 新型WRX STIが早くもレース参戦! ~「ニュルブルクリンク24時間レース」参戦車両 レポート~ マリオ高野(1/2)

スバル 新型WRX STIが早くもレース参戦! ~「ニュルブルクリンク24時間レース」参戦車両 レポート~ マリオ高野
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王座奪還を果たすべく、マシンをフルモデルチェンジ

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STI(スバル テクニカ インターナショナル)は今年も、ドイツ ニュルブルクリンク24時間レースに参戦!

先日開催された東京オートサロン2014で発表された今年の新型マシンのシェイクダウンが、1月23日に富士スピードウェイにて行われました。STIは今年もSP3Tクラス(排気量2リッター以下のターボ車)優勝を狙います。同クラスでは2011、2012年と連続優勝を遂げたものの、2013年は惜しくも2位。その雪辱を果たすべく、今年はフルモデルチェンジしたマシンでチャレンジするのです。

去年に引き続き、STIパワーユニット技術部主査の小澤正弘氏が監督としてチームを率い、車両開発を担当するSTIモータースポーツ総括部の辰己英治氏が総監督を務めます。

ドライバーも去年に引き続き、吉田寿博選手、佐々木孝太選手、カルロ・ヴァンダム選手(オランダ)、マルセル・ラッセー選手(ドイツ)の4名体制。

今年は何といってもベース車両が新しいWRX STIに変わることに尽きますが、新マシンについて、車両開発を務めた辰己総監督は以下のようにコメントしました。

スバル 新型WRX STI

「新マシンの一番の改善点は空力特性です。数値でいうと1割弱ぐらい改善されました。空力が良くなったことでクルマの速度や燃費など、いろんな面で良い影響が出ていることが確認できています。まだ現状ではマキシマムのアタックをしていませんが、最高速も上がるでしょう。今日の計測では、去年よりも1秒以上速い結果が出ています。

エンジンはほとんど変わっていないので、ベース車(次期型WRX STI)の車体/シャシーの出来の良さがそのまま現れたといえるでしょう。

逆にいうと、空力の問題は去年までのマシンの課題でもありました。空力はレースカーに改造すると多少は改善できますが、根本的なフォルムは変えられないので、ベース車となった新しいWRX STIのボディの効果は非常に大きいですね。」

(―次章に続く)

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富士スピードウェイで去年より1秒以上も速い!

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(辰己総監督)「新マシンについては、とにかくベース車の走りがすごく良いことがポイントです。去年の4月頃、開発中のクルマ(次期型WRX STI)でニュルを走りましたが、とても具合が良くて驚きました。操舵感、ステアリングレスポンス、ロール感、リアのグリップ感などが、まさしく私が理想とするクルマの走りになっていたのです。

特性としては、ステアリングを切った瞬間の応答性がさらに高まりました。リアがしっかりしてないと応答性は良くなりません。たとえばゴルフなどのスポーツでも、下半身がしっかりしてないとスイングが安定しないのと同じです

スバル 新型WRX STI

過去に販売したSTIのコンプリートカーでもいえることですが、微小舵応答は高めつつも、ゲインを高くしたりはしません。動き出しはあくまでスムーズにセッティング。そのためにボディを固めたり緩めたり、いろいろな創意工夫を凝らしました。

旧マシンに比べて25mmのホイールベースの延長は安定性の向上につながり、ニュルでは有利となります。旧マシンでもかなり重心は低かったのですが、新マシンのボディは全高5mmダウンでさらなる低重心化をはかっています。

突き詰めると、屋根は低ければ低いほど良いわけですが、我々は実用車の4ドアセダンをベースにスバルのシンメトリカルAWDの良さを活かして勝つことを目指しているので、あくまでベース車のボディで戦います。

(―次章に続く)

マシントータルでどれだけ乗りやすくなるかが開発テーマ

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(辰己総監督)「レギュレーションは、去年のAWDの最低重量は1200kgだったのですが、今年から1220kgまで上げられます。FFは1170kgまで上げられているのでAWDとの差が小さくなり、我々としてはちょっと有利になりますね。それでもまだFFとは50kgの差があるので、重量ハンディは残ります。

旧マシンと同じく、ドアはカーボン製ですがボディシェルはノーマル。サスペンションについては、ロアアームは量産車と同じ。他のアーム類も加工はしてるけど基本はノーマルです。サブフレームはラリー用のR4のものを採用。あとは、安定性と乗り味を良くするための独自の工夫が随所に秘められています。レースカーながら狙う方向性は市販車と同じということは今までと変わりません。

エンジンも98%ぐらいはノーマルで、トランスファーもノーマル。新マシンも、これまでと同じく可能な限りノーマルに近い状態をキープしています。

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ノーマルパーツは市販車の開発段階ですでに徹底的な耐久試験を実施しているという好都合もあります(笑)

とにかく、去年負けたことでそのリベンジに燃えています。タイヤもウェット性能を含めて進化させました。

最大のテーマは“マシントータルでどれだけ乗りやすくするか”ですね。ライバルチームに関しては、特に意識はしていません。

本来レーシングカーはシェークダウンから煮詰め始めるものですが、我々のマシンは量産車なので、すでに現時点で完成しているといえます。次はドイツでのレースまで走らせる機会はありませんが、問題ありません。

もちろん、今日のドライバーのインプレッションを参考にして細部は修正します。」

このように、新しいマシンのベース車となる次期型のWRX STIのポテンシャルの高さを強調。絶大な自信を深めておられる様子でした。富士スピードウェイで去年より1秒以上も速いという結果は、ベース車の性能アップ分が現れたといえるでしょう。

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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