スバル インプレッサ WRX STI specC 新型車解説
- 筆者: オートックワン 編集部
- カメラマン:富士重工業株式会社
インプレッサ WRX STI にスペックCが登場!
インプレッサ WRX STIに、あの究極の戦闘型モデル“スペックC”が追加された。
現行型インプレッサ WRX STIシリーズの完結編とも呼べるスペックC。スペックCの「C」はコンペティション(競技)という意味を持つだけあり、猛烈にスパルタンなクルマだ。
サーキットや競技嗜好のインプレッサユーザーにとってみれば待望とも呼べるモデルだけに、その登場に首を長くして待っていた人もきっと多いはず。
2009年2月にオートマチックトランスミッション搭載の“A-Line”が先に追加され、走りの最高峰「スペックC」の安否が一時囁かれたが、2009年7月23日、この度ようやくお目見えというわけだ。
インプレッサ WRX STI スペックCは、グループN(自動車レ-スのカテゴリーの1つ)のホモロゲーションを取得するためのモデルとして導入したもので、2009年12月27日までの受注期間を設けた国内900台、海外100台の合計1,000台の限定(17インチタイヤ仕様車は除く)販売モデルである。
注目は、新採用のターボ
インプレッサ WRX STI スペックCの肝心な足まわりを見ていくと、まずフロントにクロスメンバーの補剛を施し、リアはサブフレームブッシュをハード化。
そして、コイルスプリングレートを標準仕様に比べ、フロントを約15%UP、リアを約30%UPするなど、競技を視野に入れた敢然な専用チューニングを施している。
タイヤは18インチ、17インチ共に強烈なグリップ特性を持つ「ポテンザRE070」を装着。そしてブレーキはbrembo社製のゴールドキャリパーを装備するなど、足回りのインパクトも大きい。
一方エンジンは、引き続き2.0LDOHC16バルブターボエンジンを採用。
スペックCは今回から新たにターボメタル式タービンにボールベアリングを配した“専用ボールベアリングターボ”や、点火時期や燃料供給量を制御する専用ECU(エンジン・コントロール・ユニット)も採用している。
スペック数値自体はベースグレードと変わらないが、これにより強力且つ瞬発力の高いレスポンスを発揮するとしているから、これは乗らないわけにはいかないだろう。
さらにspecCでは、インタークーラーウォータースプレーを復活装備させている。
先代モデルのGDB型には装着されていたのだが、現行GRB型では見られなかった装備品だけに、ますますボルテージが高まる。
燃料タンク内部を大幅変更
パフォーマンス性能を有するクルマにはお約束事項だが、スペックCにはコーナリング時に浮いた片側車輪の空転を防ぐ機械式LSDを、リアに標準装備している。
さらに、高いGがかかったままの旋回時に、燃料がタンク内で片寄りを起してポンプ吸入できずガス欠という状況を回避するために、タンク内部のチャンバー壁の形状を今回から変更させている。
ガソリンを吸入するポンプの大容量化も計られている為、過酷な走行を強いられたとしても、安定した燃料供給を行なう仕組みが採られているのだ。
ボディ自体も、アルミフードや小型バッテリー、薄板ガラス、さらに車体制振材、インシュレーター類の小型化により、約70kg(17インチ仕様・18インチ仕様は約50kg)の軽量化にも成功していることを加味すれば、スペックCの猛烈な走りは簡単に想像できるはずだ。
最後にインテリアは、STIオリジナルのレッドステッチを配したスポーティな内装が光る。シートはもちろんバケット式(17インチタイヤ仕様車はスポーティシート)を採用。
ボディカラーも2009年9月23日までの期間限定色となるサンライズイエロー(¥31,500高)をはじめ、スパークリングシルバーメタリック、オブシディアンブラック・パール、ピュアホワイト、WRブルー・マイカの計5色を用意している。
ちなみに17インチタイヤ仕様車は、エアコンレス(後付不可)、ドアミラーは手動格納式、ヘッドランプはハロゲン式、リアシートセンターヘッドレストは無し、リアセンターシートベルトは2点式。おまけにボディカラーもピュアホワイトと、WRブルー・マイカのみの設定で、見事に内装もスパルタン仕様といった感じだ。
さぁ、男なら一度はスペックCに乗ってみてはいかがだろうか。
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