【新旧比較】「スバル WRX STI」の新型と旧型を比較してみた/マリオ高野(3/4)
- 筆者: マリオ 高野
乗り心地
強靭なボディ作りにより、サスペンションのバネレートやダンパーの減衰力は先代モデル比でも相当高められているにもかかわらず、乗り心地は劇的に上質感を増している。静粛性も飛躍的に高まっていることも相まって、400万円のクルマに相応しい車格感を伴うようになった。
よりマイルドなWRX S4はファミリーユース向けとされるが、硬派なWRX STIでも新型なら十分にファミリーカーとして使える快適性を備えている。 フルロールした時など、サスペンションストローク量は意外に大きくないことを実感する場面もあるが、サスペンションが底突きをしても、そこから先はボディがいなすような感触が伝わる点は新型ならではの特徴といえる。その意味では、先代モデルよりも奥深さを感じさせるサスペンションである。
WRX STI、WRX S4ともにビルシュタインダンパーを装備するSグレードでは、市街地ではやや硬さが気になる場面もあるが、高速域では標準グレードよりも甘美な乗り心地が味わえる。
進化度数:9点/10点(超絶的に進化した)
快適&安全装備
WRX STI、WRX S4ともに、高性能スポーツセダンとしてはほとんど不満のない快適性を備える。
近代スバル車の例に洩れず衝突安全性も世界最高峰にあることは、アメリカのIIHS(Insurance Institute for Highway Safety:道路安全保険協会)の衝突試験でトップセーフティーピックの評価を受けたことでも実証済みだ。WRX S4には待望のアイサイトが装備されることもあり、安全装備面でも世界最高峰にあるといえる。
リアサスペンションの限界性能の向上分も含めれば、安全性の高さは先代モデルを圧倒する。あえていえば「ぶつからないクルマ」のパイオニアとして、MT用のアイサイトの開発を望みたいところだ。
進化度数:9点/10点(超絶的に進化した)
燃費性能
WRX STIに関しては先代モデルとほぼ同じ車重、同じ動力性能ということで、燃費性能は変わらず。しかし、ボディのCd値が改善されているので、高速巡航時の燃費は改善されているはずだ。さらに、操縦安定性の向上により、余計なステアリング操作が減ることによる低燃費化もわずかに期待できる。
WRX S4については、先代モデルに相当するA-Lineに対して圧倒的な低燃費化を実現したといえる。
進化度数:6点/10点(順当に進化した)
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