スバル インプレッサ シリーズ[2015年マイナーチェンジモデル] 試乗レポート/渡辺陽一郎(4/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
16インチモデルの穏やかな走りは好みが分かれそう
インプレッサのセダン「インプレッサG4」は、「インプレッサG4 2.0iアイサイト」を試乗した。タイヤは16インチ(205/55R16)の「ヨコハマ デシベルE70」。指定空気圧は前輪が230kPa、後輪が220kPaであった。
16インチタイヤを履いたセダンとあって、乗り心地が最も快適な仕様かと思ったが、17インチと比べると好みが分かれそうだ。感触はソフトだが、ややブヨブヨとした曖昧さを感じる。17インチの適度な引き締まり感を好むユーザーも多いだろう。
操舵に対する反応も、いまひとつ鈍く、17インチタイヤに比べて車両の向きが若干変わりにくい。前述のスラローム走行でも、旋回中にアクセルを戻すと、後輪を横滑りさせる度合いが少し大きかった。適度に向きが変わりやすくなってスラローム走行自体は行いやすいが、実際の使用ではメリットにならない。
SUBARU IMPREZA G4 2.0i EyeSight[4WD] 主要諸元
全長x全幅x全高:4585x1740x1465mm/ホイールベース:2645mm/車両重量:1340kg/乗車定員:5名/駆動方式:四輪駆動(アクティブトルクスプリットAWD・電子制御AWD)/エンジン種類:FB20型 水平対向4気筒 DOHC 16V デュアルAVCS ガソリンエンジン/総排気量:1995cc/最高出力:150ps(110kW)/6200rpm/最大トルク:20.0kgf・m(196N・m)/4200rpm/トランスミッション:マニュアルモード付 リニアトロニック(CVT)/燃料消費率:16.2km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:205/55R16/メーカー希望小売価格:2,257,200円[消費税込]
好敵手「マツダ アクセラ」とインプレッサを徹底比較してみる
スバル インプレッサはボディタイプを問わず、クルマ好きのユーザーが選ぶ車種だと思う。機能と価格のバランスなら、インプレッサスポーツ/インプレッサG4ともに16インチタイヤを履いた「AWD 2.0i アイサイト」(225万7200円)が買い得だ。しかし運転感覚も踏まえると、価格が少し高くなっても「2.0i-S アイサイト」(インプレッサスポーツ:241万9200円/インプレッサG4:243万円)を推奨したい。
今回の変更を受けたことで、インプレッサの運転感覚は洗練度を増した。以前は操舵に対する反応に少し緩さを感じたが、今は正確性が高まって走行安定性も良好だ。ステアリングのギヤ比を高めたのもこの影響だろう。以前は少し鈍いところでバランスを取っていたが、今回の変更で走行安定性が向上して操舵感も正確になった。となればステアリングの動きを少しクイックにした方が、自然な運転感覚を得られる。
この発展のさせ方はライバルのマツダ アクセラに似ているが、インプレッサはそこまでスポーティーには振っていない。リラックス感覚も重視して、車両全体の動きを少し穏やかにしている。例えていうなら、インプレッサはアウディ、アクセラはBMWという感じだ。スバル車はAWDの品ぞろえが豊富なことも含めて、アウディに近い商品展開となっている。
[渡辺陽一郎の結論! 新型インプレッサは買い!?・・・次ページへ続く]
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