丸目、涙目、鷹目・・・初代から新型まで、歴代インプレッサの種類をカンタン解説!

  • 筆者: MOTA編集部
  • カメラマン:SUBARU
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スバルを代表する4WDセダン・ハッチバックモデルの「インプレッサ」。1992年に初代が登場して以来、5世代に渡り進化を続けてきた。特にスーパースポーツ「WRX」シリーズは、スバリストのみならず多くのスポーツカー乗りから注目を集め続けてきた。このページではこうした歴代スバル インプレッサ・インプレッサ WRXの25年に及ぶ歴史と変遷について詳細に解説する。

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目次[開く][閉じる]
  1. ◆セダンとスポーツワゴンの2本立てで登場した初代インプレッサ GC/GF系
  2. ◆丸目・涙目・鷹目など、種類が豊富な2代目インプレッサ GD/GG系
  3. ◆5ドアモデルが初登場した3代目インプレッサ GE/GH/GR/GV系
  4. ◆次世代水平対向エンジンが搭載された5代目インプレッサ GK/GT系
  5. ◆歴代インプレッサ体系まとめ
  6. ◆歴代基本スペック

◆セダンとスポーツワゴンの2本立てで登場した初代インプレッサ GC/GF系

1992年に登場した初代インプレッサは、前後ともに横長のライトが特徴的なモデルです。

ボディタイプはセダンとスポーツワゴンが設定され、排気量は1.5L、1.6L、1.8L、2.0Lと、現代では考えられないほど豊富であり、ユーザーの好みにあったボディタイプや排気量を選択することができました。

▽1997年 初代GC系 インプレッサ WRX type RA STi Ver

8年間発売されたこともあり、現在でも街を走る姿を見ることができます。しかし、そのほとんどは2.0Lのターボエンジンを搭載したスポーツモデルのWRXや、そのWRXにさらにチューンを施した「STIバージョン」というものです。今でも根強い人気があるのは、現代のスポーツカーに比べ軽量なボディに強力なターボエンジンと4WDで、軽快で力強い走りが魅力なのではないでしょうか。

さらに、この世代のインプレッサが、某走り屋マンガで主人公の父親の車として登場していることや、WRCでも活躍していたことも現在の人気を支えているのでしょう。

▽1998年 初代GC系 インプレッサ 22B-STi Version

また、GC系には「22B」や「S201」といった特別なモデルが発売されました。これらはどちらもSTIの手によるコンプリートカーで、通常のラインナップとは一線を画したモデルでした。

22Bは1998年に限定400台で発売されました。通常のモデルと大きく異なる点は、

(1)排気量200ccアップ

(2)ワイドなボディ

(3)幅広タイヤなどが挙げられ、同じインプレッサとは思えないほどの迫力があるモデルでした。

▽2000年 初代GC系 インプレッサ S201 STi Version

S201は2000年に限定300台で発売されました。S201の特徴としては、その外観にあります。

まず目を引くのは、フロントバンパー、サイドスカート、リアバンパーと、車両の一周を専用のエアロパーツで武装している点です。

見た目だけではなく、エンジンの出力がベースモデルの280馬力に対して300馬力まで引き上げるなど、内側にも手が加えられていました。 このような特別なモデルが発売されるなど人気を博したGC/GF系も2000年にGD/GG系に置き換わりました。

スバル/WRX
スバル WRXカタログを見る
新車価格:
416.9万円474.1万円
中古価格:
70万円900万円

◆丸目・涙目・鷹目など、種類が豊富な2代目インプレッサ GD/GG系

2000年に登場した2代目となるGD/GG系は同じ型式にも関わらず、様々な見た目のモデルが登場しました。

はじめに登場したのは「丸目」と呼ばれているモデルです。GC/GF系の横長なヘッドライトとは大きく異なり、丸い目が特徴的です。

▽2001年 2代目GD系 インプレッサ STi シリーズ WRX STi

GC系と異なる点としては他にもあり、MT車の設定が、スポーツモデルのWRXでは5MTであるのに対し、STIバージョンでは6MTとなっており、差別化が図られました。このような違いからか、WRXの通常モデルの型式はGDA、STIバージョンはGDBとなりました。

この、「丸目」インプレッサにも、STIによるコンプリートカーである「S202」が発売されました。

GC系で発売されたS201が大きなエアロパーツを装着していたのに対して、S202では専用の鍛造ホイールが装着される他は大きな違いはありません。しかし、中身にはしっかりと手が加えられており、各部のチューニングや専用部品によって320馬力まで引き上げられました。

▽2代目GD系涙目 インプレッサ セダン STi

2002年、「丸目」に変わって登場したのが、「涙目」と呼ばれるモデルです。涙目とよばれる所以は、丸目同様、ヘッドライトに涙の粒のような形状があるためです。最廉価モデルは129.4万円からと、手の届きやすい価格設定となりました。

この涙目モデルには、これまでのGC/GF系とは少し異なる点があります。これまでのモデルはホイールの取り付けハブのピッチ(PCD)が100 でしたが、PCD114.3となっているのです。こうした一般的にはわかりづらい違いがあるのも、インプレッサの面白い点かもしれません。

▽2代目GD系鷹目 インプレッサ セダン WRX STI

そして2005年、GD/GG系の最終モデルとなる「鷹目」が発売されました。このモデルもきりっとしたヘッドライトの形状から「鷹目」と呼ばれています。

スバル/インプレッサスポーツ
スバル インプレッサスポーツカタログを見る
新車価格:
200.2万円295.9万円
中古価格:
29.8万円282.3万円

◆5ドアモデルが初登場した3代目インプレッサ GE/GH/GR/GV系

これまでセダンタイプとスポーツワゴンの2タイプで展開されてきたインプレッサですが、ガラッと変わり5ドアのハッチバックで登場したのが3代目インプレッサのGH系です。

GD/GG系の鷹目に引き続いて、1.5Lモデルと2.0Lモデルがラインナップされました。しかし、これまでのモデルではスポーツモデルとして設定されていた「WRX」がラインナップから姿を消し、「S-GT」という2.0Lターボエンジン搭載モデルが加わりました。

一方で、高性能モデルであるSTIバージョンの後継として、GR系が発売されました。このGR系には、これまでのモデル同様、2.0LターボエンジンのEJ20が搭載されるグレードと、ATのみの設定ではありますが、2.5Lターボエンジンが搭載されたグレードも発売されました。

▽3代目GH系(の関連モデル) インプレッサXV

また、GH系では派生モデルとしてインプレッサXVというモデルが2010年に登場しました。このモデルは通常モデルに対して全高が45mmアップされるなど、いわゆるクロカンモデルとしてラインナップされました。

▽3代目GE系 インプレッサアネシス

ハッチバックモデルのGH/GR系が発売された約1年後の2008年、待望のセダンタイプのインプレッサ「アネシス」が発売されました。これがGE系インプレッサです。ただ、このセダンモデルにはこれまでのインプレッサにあったようなターボエンジン搭載モデルはありませんでした。

▽3代目GV系 インプレッサ WRX STI

そして2010年、スポーツ志向のユーザーが待ち望んだセダンタイプでのSTIバージョンである「GV系」が発売されました。搭載されたのはGR系と同じく2.0Lもしくは2.5Lのターボエンジン。

このモデルの登場により、GE系が歴代モデルの通りセダンユーザー向け、GH系は日本のトレンドに合わせた使いやすいサイズのハッチバックとクロカンとして、また、GV系・GR系はハイパフォーマンスなスポーツ車を選ぶユーザー向けにと、かなり幅広いユーザーニーズを満たす車となりました。

▽3代目GR系 インプレッサ WRX STI

2011年、インプレッサシリーズにこれまで長年搭載されてきたEJ型のエンジンに変わり、FB型という新しいエンジンが搭載された新型モデルが発表されました。それがGP/GJ系インプレッサです。

GP系は先代のハッチバックモデルに代わり“インプレッサスポーツ”として、GJ系はセダンモデルに代わって、“インプレッサG4”という名称に変わりました。

時代の流れからか、このGP/GJ系では、これまでWRXやS-GTというグレードでラインナップされてきたターボエンジン搭載モデルは姿を消してしまいましたが、高性能モデルのSTIバージョンは引き続きGR/GV系が販売されていました。

このGP/GJ系から、スバルの代名詞とも言えるアイサイトが一部のグレードで搭載され、ハイブリッドの登場もこの世代のインプレッサからとなります。

また、先代のGH系にてラインナップされたインプレッサXVは、車名からインプレッサが外れ、新たにXVという名で発売されました。とは言っても通常モデルのGP系をベースに、車高を上げて外装がクロカン系になっている点は先代同様。

この頃、コンパクトなサイズのSUVに人気が出始めていたこともあり、先代よりも力を入れて売り出していたような印象をうけました。実際、先代よりも見かける頻度は高かったのではないでしょうか。

◆次世代水平対向エンジンが搭載された5代目インプレッサ GK/GT系

2016年12月、約5年間発売されたGP/GJ系に代わり、GT/GK系が発売されました。

ボディタイプや排気量は先代同様ですが、どのグレードでもアイサイトver.3が標準装備となりました。先代までラインナップされていたMTモデルは現在のところ設定が無く、MT車ユーザーにとっては少しさびしい気持ちになります。

ハイブリッドモデルも現在はありませんが、今後ラインナップされるのでしょうか。

先代同様、セダンモデルがインプレッサG4、ハッチバックモデルがインプレッサスポーツという名称である点は変わりませんが、様々な変更がなされています。

まずは、シャシー。このインプレッサから“スバルグローバルプラットフォーム”が採用されました。通称「SGP」と呼ばれるこのプラットフォームは、今後スバルの各モデルにも普及していくと考えられています。

SGPの採用により、運転時のフィーリングや、高剛性化による安全性の向上が図られています。

また、エンジンも変更されています。

2.0Lモデルに搭載されるエンジンは、型式としては先代にも搭載されたFB20ですが、その中身としては進化しており、軽量化やフリクションの低減、さらには直噴化など、様々な変更点が加えられています。

このインプレッサは日本カー・オブ・ザ・イヤー2016-2017(COTY)に選ばれました。

その理由としては、「ノミネートの10台中最も安いクルマなのに、安全支援装備を全車標準で搭載しているところが際立っているから」や、「スバルで一番のベーシックモデルながら、上級モデルを超えても構わないという意気込みでプラットフォームを一新し、新時代のスバルのためには妥協しないという姿勢を貫いたことが高ポイントだった」など、安全性や新しいプラットフォームを、ジャーナリストの多くが評価したようです。

このような進化を遂げたインプレッサは、COTY受賞と相まってさらなる人気を博することになるのではないでしょうか。

スバル/インプレッサG4
スバル インプレッサG4カタログを見る
新車価格:
200.2万円273.9万円
中古価格:
30万円248万円

◆歴代インプレッサ体系まとめ

【初代 1992年~2000年】

車両型式:GC系=セダン/GF系=ワゴン

エンジン:EJ型

【2代目 2000年~2007年】

車両型式:GD系=セダン/GG系=ワゴン

エンジン:EJ型・EL型

【3代目 2007年~2011年】

車両型式:GE系=セダンGH系=ハッチバック

GV系=セダンのSTIモデルGR系=ハッチバックのSTIモデル

※GH系の関連モデルとしてインプレッサXVが登場

エンジン:EJ型・EL型

【4代目 2011年~2016年】

車両型式:GJ系=セダン/GP系=ハッチバック

※GP系の関連モデルとしてXVが登場

※この代からWRXがインプレッサとは別の車種として独立する

エンジン:FB型

【5代目 2016年~ 】

車両型式:GK系=セダン/GT系=ハッチバック

エンジン:FB型

◆歴代基本スペック

スペック初代インプレッサ セダン WRX
[1996年]
2代目インプレッサ WRX STi
[2000年]
3代目インプレッサ WRX STI
[2007年]

車両型式

E-GC8

GH-GDB

CBA-GRB

全長

4,340mm

4,405mm

4,415mm

全幅

1,690mm

1,730mm

1,795mm

全高

1,405mm

1,435mm

1,475mm

車両重量

1,250kg

1,430kg

1,480kg

エンジン形式

EJ20

EJ20

EJ20

エンジン種類

水平対向4気筒DOHC
空冷インタークーラーターボ

水平対向4気筒 2.0L DOHC
16バルブAVCS ターボ

2.0L DOHC 16バルブ デュアル
AVCS ツインスクロールターボ

総排気量

1,994cc

1,994cc

1,994cc

エンジン最高出力

280PS/6,500rpm

280PS/6,500rpm

308PS/6,400rpm

エンジン最大トルク

35.0kg・m/4,000rpm

38.0kg・m/4,000rpm

43.0kg・m/4,400rpm

トランスミッション

5速MT

6速MT

6速MT

ギヤ比

15:1

15:1

13:1

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MOTA編集部。現在総勢9名で企画・取材・原稿作成・記事編集を行っています。編集部員は、自動車雑誌の編集者やフリーランスで活動していた編集者/ライター、撮影も同時にこなす編集ディレクターなど、自動車全般に対して詳しいメンバーが集まっています。

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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