スバル デックス 試乗レポート(1/2)
- 筆者: マリオ 二等兵
- カメラマン:柳田由人
スバルにとっては「待望の小型車」とも呼べるデックス
正直なところ、保守本流のスバリスト目線から見たデックスは微妙なクルマです。クルマの良し悪し云々ではなく、存在として微妙・・・。なぜなら、デックスにはスバル・エンジニアリングが微塵も注入されていないから!
デックスはスバルと提携関係にある「トヨタ bB」、そして「ダイハツ COO」のOEM供給車として誕生しました。デビュー時のお披露目会では、エクシーガの開発主査も務めた大雲浩哉氏が責任者として発表されたものの、メカ的にはスバル側の関与はゼロ。
三兄弟の中ではもっとも角張ったデザインにスバルらしさを感じなくもないですが、デザインもスバルが若干、内外装に手を加えた程にすぎません。つまり、デックスにはスバル魂がまったくといって良い程込められていないのです・・・。
まぁ、本来はそれがOEM車というものなので、当たり前といえば当たり前なのですが、保守的かつ偏狭なスバル車マニアとしては、どうも釈然としません。
かつて、スバルにはトラヴィックというオペル・ザフィーラのOEM車が販売されていました。これには本家のザフィーラよりも排気量が200ccも大きいエンジンが搭載されていたり(しかも本家よりも安かった!)、サスペンションのセッティングにはスバル側の要求が反映されていたりするなど、性能面での本家モデルとの違いが小さくなかったので、その存在を認めるスバリストは意外に少なくなかったという事例があります。
なのでデックスにもトラヴィックのように、ごくわずかでもいいからスバリストを納得せしめる「らしさ」を感じさせるポイントがあればよかったのにと、そう惜しまれてなりません。イメージキャラクターにエビちゃんを起用した点においては、個人的には大賞賛ポイントだったのですが・・・!
しかし、それはあくまで私(マリオ)のような一部の濃厚系偏狭スバリスト特有の意見であって、スバル車ユーザーのすべてがそう思っているわけではありません。
デックスが発売される以前のスバルの登録車(軽自動車以外)のエントリーモデルは、インプレッサの15i。1994年に小型車ジャスティの販売を止めてから、長らく1,300ccクラスの小型車がラインナップに無かった(「ドミンゴ」というサンバーベースの1,200ccエンジン搭載車は)ので、多くのスバルユーザーにとってデックスは「待望の小型車」なんですね!
実際、去年の4月に発売されてから現在に至るまで、常にダイハツCOOの倍以上も売れているのです!(bBにはまったく叶いませんが・・・)
この実績が、スバルディーラーにおけるデックスの存在意義の大きさを、雄弁に物語っているといえましょう。
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