BRZ史上“最大規模”のマイチェン!“走り”を高めたスバル 新型「BRZ」を試乗!(3/3)
- 筆者: 河口 まなぶ
- カメラマン:和田清志
「GT」と「S」、買うならどっち!?
さて、先に記したGTとSでの乗り味走り味の違いから結論付けるとするならば、むしろ僕は購入を考えるとSでも良いかな?とも思えたほど。
もちろんGTはひと目で分かる装備の違いが生み出す魅力があるわけで、この部分に惚れて買うならGTだろうが、そこをあまり問わないならSで十分以上だと僕は判断したのだった。
とはいえ、SであれGTであれ、そもそも見た目は今回のマイナーチェンジで大幅に変わっている。
例えばヘッドライトはよりスバルらしいLED形状が与えられているし、テールもデザインを一新。そして前後のバンパーもデザインが改められて、以前よりも洗練された雰囲気を手に入れている。
オーナーには新たな魅力を感じる新型BRZだが・・・
ただ、僕はオーナーだからこそ厳しくまとめようと思うのだが、その進化っぷりや成長っぷりは、僕がこれまでBRZに乗っていたからこそ痛感する部分でもある。
つまり、これまでBRZに乗っていた人にとっては新たな魅力がたくさんあるといえるのだが、このモデルが最初に触れるBRZであった場合には「まあ、普通に良いクルマ」と感じてもおかしくないだろう。
というか、現在の様々な最新モデルの中に投じられたビッグマイナーモデルとして見た場合、先に記したように感じた大幅な進化や成長は、それら最新モデルを押しのけてまで光り輝くアドバンテージにまではなっていないのが実情だ。
もっとも、マイナーチェンジなのでそこまで求めるというのは、そもそも酷ではあるのだが・・・。
通好みの魅力が増したといえる、今回のBRZマイチェン
ただフィーリングやその他に関して、周りの最新モデルと比べてみても悪くないし、例えば低重心で気持ち良く動くノーズなど、むしろBRZだからこその魅力と思える部分も無いわけではない。
だが、それが他に対して圧倒的なアドバンテージを手に入れている訳ではない。むしろ通好みな、分かる人にこそ分かる良い味わい、といった表現が相応しい。
とはいえ、2リッターのFRスポーツカーというのは他にない存在であり、それだけで十分以上に価値がある。加えて実際に触れれば、ボクサーエンジンの独自性は存分に感じ取れる。
そして、その走りや乗り味も現代の最新モデルと比べても遜色ないレベルにまとめ上げられているから、一度試してみる価値は大いにあるといえるだろう。実際に、僕も今乗っているtSを下取りに出して、新型を購入しようかどうか、そんなことを考えているくらいなのだから。
それが、今回のBRZの評価を端的に示していると僕自身が思うのだ。
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