衝撃のソウルショー2013 ~やっぱニッポンやられまくり?~ /小沢コージ(1/2)
- 筆者: 小沢 コージ
ソウルショーで見えてきたアジアの恐さ
♪アニョハセヨ♪
みなさん。何とか諸島とか、なんとか島だって大騒ぎの今日この頃、いかがお過ごしですか。
というのも、たまたま3月末に第9回ソウルモーターショーがあって、最近アジア通な不肖小沢だけに当然行くことになったんですわ。今月は上海ショーもありますし。
しっかし、私が言うまでもなく、韓国人ってのは実に負けず嫌いですな。前回第8回に行ったのが初のソウルショーの不肖小沢ですが、そんな素人な私にも分かるくらいに露骨に日本越え、いや世界キャッチアップを計ってきているからであーる。
分かり易いところではまず敷地面積。
会場はソウル市のエキシビジョンセンター「KINT EX」で、こちらも十分キレイで、2005年から使ってる新しいとこだけど、今回はさらに増築がなされて、隣に「KINTEX2」ってのが出来て、総敷地面積は約6万㎡からイッキに10万㎡に倍増。
これは世界のモーターショーではフランクフルト、上海に続き“世界3番目!!”で、上海を超えなかったのは超大国中国に対する配慮もあるっぽいが、逆に前回会場が幕張からビッグサイトに移ってさらに小さくなった東京ショーが、わずか3万5000㎡弱だからまさに容赦なき約3倍! 参りました…って感じ。
ちなみにそれを教えてくれたKAMA(韓国自動車工業会)エグゼクティブ・ディレクターのホウ・ワンさん曰く「パリ、ジュネーブのようなヨーロッパのショーは100年以上で東京は50年以上。それに比べてソウルは20年ぐらいなので、時間のギャップを埋めていこう」ということで、言葉は柔らかながら確かなる上昇志向を感じた次第。
ちなみに開催時期についてはニューヨークショーと重なったことはまるで考えて無くて、それこそ来月の上海ショーを配慮。やはり向いている方向は中国なのだろう。
アジアのアストン、遂に登場!?
さて、いきなり韓国“手前味噌ショー”の香り漂うソウルショーですが、実際展示はなかなかのレベルでありました。
まずはぶっちゃけ、“う…ちょっとマジカッコいいかも?”と思わされたのがヒュンダイのデザインコンセプト「HND-9Venace」。
写真を見て頂くのが一番だが、いわゆる「モダン・プレミアム・ラグジュアリー・スポーツ」をうたったFRスポーツで、ぶっちゃけ小沢に言わせると「アジアのアストンマーティン」。
伸びやかでグラマラスなフロントノーズといい、キュッと絞られたウエストといい、さらにマッチョなリアといい、実に分かり易くもセクシーエレガントなダイナミックバディであーる。
そうでなくとも同じヒュンダイグループのキアが、今や社長でもある元アウディのペーター・シュライアー氏の手腕もあって「アジアのアウディ」的になっているのだから、さらに引き出しが増えたって感じ。ついでに最近のキア・セダンは一部BMWの4ドアクーペっぽくもなっている。
ちなみにデザイナーはウクライナ生まれのミコラ・キンドラティシン氏でGM出身。さらにインテリアは地元韓国の若くてキレイな女性さん。
ホント、こういう風に才能があれば年齢出身関係無くデザイナーをバンバン使うところは韓流の素晴らしいところ。この当たり、ついプロパーを重視しがちな日本メーカーに比べて、明らかなるアドバンテージだ。ぶっちゃけ日本もこだわりを捨てて見習って欲しいですねぇ。
それから凄かったのは高級車コンセプトの「エクウス・バイ・エルメス」。
高級車「エクウス」のストレッチリムジンに、あのエルメスが内装を施したコンセプトカーで、まさかヒュンダイがエルメスに…とまるでクラスイチの美人が、いつの間にやら口達者のアイツに奪われていた…みたいな感じよ(苦笑)。
しかもマテリアルに本物のクロコダイルを使ってたり、そもそもこれを作るきっかけが「パリで出会ったエルメスとヒュンダイのトップマネージメント同士の交流」だったりとこれまたちょっと日本負けた感強し。
唯一の救いは、このエルメスバージョンが市販されないことで、かつてエルメスが組んだブガッティ・ヴェイロン・エルメス仕様は市販されたわけだから、さすがのヒュンダイでもそこんところの壁は乗り越えられなかったみたい。なんとなくホッとしました。
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