レクサス・デザインの生みの親、福市得雄氏の講演会に学生カーソムリエが潜入!/竹岡圭(1/2)

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:茂呂幸正・オートックワン編集部
レクサス・デザインの生みの親、福市得雄氏の講演会に学生カーソムリエが潜入!/竹岡圭
福市氏、竹岡圭さんと学生カーソムリエ達 福市氏、竹岡圭さんと学生カーソムリエ達 福市氏と学生カーソムリエ達 福市氏と学生カーソムリエ達 福市氏と学生カーソムリエ達 福市氏と学生カーソムリエ達 学生カーソムリエ 熊倉 健太さん(東京大学) 学生カーソムリエ 生方 貴さん(東京大学) 学生カーソムリエ 磯田 薫さん(日本大学) 学生カーソムリエ 藏人 脩平さん(東海大学) 福市氏の講演を聞く学生カーソムリエ 画像ギャラリーはこちら

大学生に、クルマの「魅力」や「楽しさ」を少しでも知ってもらおうと、昨年より日本自動車工業会が始めた企画「大学キャンパス出張授業」。自動車メーカーのトップが大学で行うこの出張授業、今年のトヨタ自動車からの出張授業にはレクサスのデザインの生みの親である「福市 得雄」氏が登壇。第2部のトークセッションでは、現役東大生×メーカートップの熱い議論が巻き起こる。

今回、この講演会に5名の学生カーソムリエが潜入。カーデザインの奥深さやその面白さを学んだ。

<日本自動車工業会 大学キャンパス出張授業2014>

「デザインには企(わけ)があり、スタイルには意味がある。」

トヨタ自動車株式会社 福市得雄氏

デザイン本部本部長/取締役・専務役員/レクサスインターナショナルプレジデント

日本自動車工業会 大学キャンパス出張授業2014「デザインには企(わけ)があり、スタイルには意味がある。」に参加する学生カーソムリエ

<講演会概要>

日 時:10月9日(木) 18:00~19:30

場 所:東京大学 本郷キャンパス 伊藤謝恩ホール

会場周辺では、福市氏がデザインを手がけた、最先端のクルマを展示。さらに昨年の東京モーターショーでお目見えした超小型モビリティ『i-ROAD』の試乗会も、東京大学本郷キャンパス医学部2号館本館前ロータリーで同日開催された。

<講演者プロフィール>

トヨタ i-ROADとトヨタ自動車株式会社 福市得雄氏 デザイン本部本部長/取締役・専務役員/レクサスインターナショナルプレジデント

福市 得雄(フクイチ トクオ)

昭和26年 10月15日生

昭和49年 多摩美術大学卒業

トヨタ自動車工業入社

平成25年 トヨタ自動車専務役員就任

平成26年 レクサスインターナショナルプレジデント就任

平成26年 トヨタ自動車取締役就任

「本当に福市の弟なのか?」と学校の先生が嘆くほど、優秀なお兄さんたちと比べてかなりの劣等生だったという福市さん。そのお兄さんたちに唯一勝てるのが、美術系科目。ならばそこを極めようということで、デザイナーの道に進まれたんだとか。

福市氏による講演「これまでのトヨタを“デザインの力”で変えたかった」

福市氏の講演を聞く学生カーソムリエ

「デザインには企(わけ)があり、スタイルには意味がある。」と題された今回の出張授業。

昨今の若者のクルマ離れに危機感を抱く福市さんが、わかりやすいデザインの観点から講演をすることで、クルマの面白さをもう一度見直してもらいたい!という思いで今回の授業は開かれました。

ちなみに福市さんがクルマに興味を持つきっかけとなったクルマは、トヨタ・セリカとのこと。決め手はもちろんカッコよさだったそう。というのも、この時代はクルマを持っていないと女の子をデートに誘えなかったからという理由からだそうです。

トヨタ自動車株式会社 福市得雄氏 デザイン本部本部長/取締役・専務役員/レクサスインターナショナルプレジデント

さて、福市さんがトヨタのデザイン本部長に就任されたのは2011年1月のこと。リーマンショックの影を引きずりつつ、東日本大震災が起き、タイでは大洪水、トヨタはリコールや品質問題で…というとんでもない時期でした。そこで「強さと意外性を併せ持つエモーショナルなデザイン」を創出し、これまでのトヨタをデザインの力で変えたいと、大胆な変革に乗り出していったんだとか。

トヨタのデザインフィロソフィは「Vibrant Clarity」エモーショナルと合理性の二律双生による、心と知にひびくデザイン。具体的な要素に落とし込むと『彩・潔・強』になり、

『彩』=感動をみたてる、心に届く独創性を生み出す→【色気や粋】

『潔』=簡単が導く自由、必要な要素を見極める→【技や賢さ】

『強』=骨太で大胆な思考。内包する価値を映し出す→【チャレンジングな思考や大胆なアプローチ】

となります。

律双生による独自の世界観、先鋭精妙の美。具体的な要素に落とし込むと「予・純・妙」となり

「予=日本のおもてなしの心」

「純=厳選された要素の純度を鋭敏なまでに高めることで得られる大胆な強さ」

「妙=伝統や様式に囚われない調和のとれた深みのあるエレガンス」

となります。これらを掲げて新しく大胆なデザインを生み出していったというわけなんですね。

形状の錯視
錯視を活かしたデザイン例錯視を活かしたデザイン例

さて、面白かったのは錯覚、錯視のお話。同じ長さなのに違ってみえる、同じ大きさなのに違ってみえるといったものですね。こういうものを使って、クルマのデザインがなされているということも、改めて認識させていただきました。

さらに面白かったのが、福市さんが考える未来のクルマ。自分で運転することは面白くて楽しい、思い切りスピードを出して走るのも快感、でも安全、安心は大事、事故は絶対にあってはならない・・・。これら相反する要素を叶える答えを見つけ出したとおっしゃるんですね。

それが「バンパーカー」。平たく言うと遊園地にあるアレですね。いつの日かここにいらっしゃる東大卒業生の皆さんの知恵を結集して実現してもらいたいとおっしゃっていました。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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