「全日本エコドライブチャンピオンシップ2014」レポート/マリオ高野(3/3)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:茂呂幸正
「「サーキットRound」のCR-Zは無限が手を入れた特別仕様車!
ちなみに「サーキットRound」で使用したホンダ・CR-Zは無限の特別仕様車で、専用サスペンション/フルバケットシート/エアロパーツ/オーバーテイクシステム/4点式シートベルト/専用エキゾーストなどを装備。
エンジンはノーマルながら内張りを剥がすなどして軽量化がはかられた仕様となっている。ステアリングに備わるパドルで電気モーターによるIMAアシストパワーを一時的に増大させることができ、これをいかに上手く利用できるかが好成績を記録するポイントだ。
3Roundのトータルでの成績は、総合34位/クラス18位と、オチとしてはイマイチ弱い結果となってしまったが、鈴鹿サーキットの国際レーシングコースを占有してタイム・燃費アタックに没頭できるというのは非常に貴重な経験なので、両名とも興奮度と満足度は極めて高いものがあった。
「去年の右京氏のアドバイスが参考になった」と、優勝の慶應義塾大学
「学生自動車部の部」で見事優勝したのは慶応義塾大学。去年に続いての連覇となった。
去年、片山右京氏から「エネルギー回生をあまり意識せず、速いスピードを保つことを心がけたほうが良い」とのアドバイスを受けたことが参考になったという。
参加したのはすべて経験豊富な4年生で、それぞれの競技を得意とする人材を適材適所に配置。レンタカーのアクアで実戦を想定したエコランの練習も重ねたなど、本気で勝ちにいったことが奏功したようだ。
2位には日本大学、3位には広島国際学院大学が入賞。「一般の部」では自動車学校のファインモータースクールが優勝し、2位は商運サービスGEPチーム、3位はチームYOKOHAMAが入賞している。
レース終了後は、モータージャーナリストや片山右京氏、レーシングドライバーらによるトークショーが行われ、イベントを締めくくった。
片山右京氏
「去年は優勝させてもらったんですけど、今日は暑かったのでCR-Zでスポーツモードでエアコン全開、しかもスポーツモードにして走ってしまったので結果はイマイチでした(笑)エコランのコツを一言でいえば、〝どれだけガマンできるか〟に尽きます。その意味では、若いレーシングドライバーよりおじさんのほうが向いてる競技と言えますね。
燃費はレースで勝つためにも非常に重要で、たとえばル・マン24時間レースやF1などのフォーミュラでも燃費は大事で、エコランができないとモータースポーツのすべてのカテゴリーで勝つことができないのが現実です。最近のF1でもハミルトンはライバルより3%燃費が良かったので、それが良い結果に直結しているんですね。ハイブリッドカーや電気自動車は、普通に乗っているとクルマ好きとしては物足りない部分もあります。
僕も若い頃は「F1に乗れたら死んでも良い!」と思っていて、ただひたすら速さしか追求していなかったけど、大人になって視野が広がってからは環境のことも考えるようになりました。現役のときは無駄なエネルギーを使っていたと反省していますが、今頃になってこういうイベントで勉強させてもらえるのは、我々にとっても有意義なことだと思っています」
影山正彦選手
「ウチのチームは一周目から全開で、若手は『右京さんを抜く!』と意気込んで熱くなっちゃいましたね(笑)
僕もたまにプリウスカップなどでエコランを楽しませてもらっていますが、グループCやル・マンでなどガソリンを制限されるレースは昔からありましたし、基本的に速いドライバーは運転がエコなんですよね。マシンやタイヤに負担をかけずに速く走ることは、エコランと共通点が多いんです。
このイベントに参加していた大学の自動車部の人たちは、将来クルマを作る側になる人が多いと思いますが、クルマの楽しさを知らないと楽しいクルマは作れないと思うので、こういうイベントでクルマで競い合う楽しさを経験して欲しいですね」
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