THE NEXTALK ~次の世界へ~ SARD 代表取締役社長 加藤 眞 インタビュー(6/6)
- 筆者: 御堀 直嗣
- カメラマン:佐藤靖彦
求めよ、さらば与えられん
加藤眞が築き上げてきたSARD(サード)の事業は、そろそろ後継者へ引き継ぐ時期に来ていると、加藤は語る。数年のうちには会長に退き、新しい経営者がSARD(サード)のDNAを継承していくことができるよう、そのための環境づくりに、この先十年ほどかけたいと話す。
学生時代から、レース活動に邁進してきた加藤眞の座右の銘とは?
【加藤眞】『求めよ、さらば与えられん。探せ、そうすれば見出すであろう』また、『艱難は忍耐を生み出し、忍耐は練達を生み出し、練達は希望を生み出す。そして、希望は失望に終わることはない』どちらも、新約聖書のマタイ伝に記されています。
私は、中学~高校とミッションスクールに居たので、聖書と接する機会がありました。社会に出て、仕事をしてみて思うのは、夢を持ち続けなければいけない、志はたえず持っていなければいけないということです。
夢や志を持って一生懸命やっていけば、必ず実現するというのを、人生で教えられました。ですから、若い人にも、夢と志を追求し、人生に一つくらい目標を持っていけば、必ず実現するだろうと言いたいですね。
【加藤眞】ル・マンをちゃんと終えないと、他はできない。自分がなぜフォーミュラのレースをやらないかと言えば、ル・マンに勝たないうちはまだそんな段階じゃないから。
一度はじめたレースに勝つまで、そのままではやり残したままになる。技術者としてのそれはけじめだろう。意地でもある。中途半端な仕事を繰り返していては、技術は成熟していかないし、人生も成就できない。また、一度勝てばいいのではなく、何度も勝たなくちゃと、加藤は言う。そこに真の姿が見えてくるからだろう。
加藤眞の、そうした飽くなき闘争心を、筆者は応援せずにいられない。 求め続けることで、神は加藤眞に、ル・マン優勝をきっと与えてくださるだろう。
希望は失望に終わることはない――いい言葉だ。
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