凄いぞ日産! あの世界最大の国「中国」でヒュンダイを抜いた理由/小沢コージ(2/3)
- 筆者: 小沢 コージ
有利な政治的背景もアノ人のなせる業!?
現地の川北剛史 本部長は言う。
「日産が他社に比べて圧倒的に有利なのは、組んでいる相手が分かれてないことです。」
実は第1のアドバンテージは組織であり、政治的背景。具体的にはトヨタが一汽自動車、広汽自動車の2つと組んで「一汽トヨタ」「広汽トヨタ」、ホンダが広汽自動車、東風自動車と組んで「広汽ホンダ」「東風ホンダ」と分かれてるの対し、日産は「東風日産」のみ。これは例のカルロス・ゴーン社長の辣腕とも言われているが、この結果、車種が分散することがなかった。
具体的には、例えばホンダは「広汽ホンダ」でも「東風ホンダ」でも同じようにアコードを作っている。かたや日本アコードで、かたや北米アコードと違いは作っているが、結局は同じクラス。食い合うし、販売店も分かれ、無駄な値引き競争が行われるのは必然だ。
日産のしたたかな中国戦略
もちろん組織的背景だけじゃない。日産は戦略もピカイチだ。実は今の中国市場は「自主ブランド」、要は外資ブランドではなく、中国独自の自動車ブランドを作ることに必死。現実に「奇端」や「GELLY」ブランドが最初から自主製作で頑張ってはいるが、やはり技術不足。よって中国政府は合弁の中から「真の自主」が育つことを希望している。
この点でも日産は他社をリードしているのだ。まずは2010年の広州ショーで東風日産は自主ブランド「啓辰」ことヴェヌーシアを発表。さらに半年も経たない2011年の上海ショーでコンセプトカーを発表し、広州モーターショーで量産プロトの「D50」まで発表した。
なんというスピード! しかも中身がなかなかなのだ。
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