THE NEXTALK ~次の世界へ~ モータースポーツジャーナリスト 高橋二朗 インタビュー(3/5)

THE NEXTALK ~次の世界へ~ モータースポーツジャーナリスト 高橋二朗 インタビュー
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お前の業界は、子供の遊びのようなものだ

「TBSビジョンの佐藤純一プロデューサーに言われたんですよ。“お前の業界は、データブックもないのか?”」と…。

高橋二朗は、語りはじめた。筆者も、90年代半ば頃までモータースポーツ取材を行っていたが、80年代初頭の我々は、子供の頃から読み漁って家に溜めこんでいるレース雑誌を紐解くことでしか、過去のレース結果などのデータを探るすべはなかった。

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【高橋二朗】サトジュンさんと僕らは呼んでいましたけれど、佐藤純一プロデューサー曰く、プロゴルフ協会は過去のデータが整備されて、年鑑もあり、番組の中で試合の実況とともにゴルファーのことや、過去の試合のデータなど絡めながら解説できる。プロ野球も、プロ野球機構というのがあって、電話帳より分厚いようなデータブックがある。レースにはそういう記録がないから、番組に厚みが出ないし、いつまでも社会性がないんだと、そう言われたんです。

それで、レース主催者だった本田耕介さんと共に、RRR(レース・レコード&リサーチ)という団体を作って、林信次にも手伝ってもらい、CANONのオリンピックチームに協力してもらいながら、メディアのみんなにレース結果を出すようにしたんです。また、データブックも作らせてもらいました。その後は、ブリヂストンの協力を得て、データブックを作りました。

手始めは、1985年のWECジャパン(世界スポーツプロトタイプカー選手権の日本大会:筆者注)からだ。 残念ながら、今日では協賛企業を得られぬまま、データブックの編纂と出版は行えずにいる。

本来は、そのスポーツを統括する団体が責任を持って編纂し、管理し、いかなるメディアに対しても問い合わせがあれば情報を提供するということが行われるべきだろう。だが、生憎モータースポーツの世界は、余分な金があるかないかで、競技界としての基本のキが左右され、データブックのような歴史の蓄積は常にお座なりにされてしまう。バブルの時に、そうした下準備ができていれば…と、高橋二朗は悔やむ。

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【高橋二朗】バブルのときのレース界は、やり過ぎだったよね。浮かれていた。各チームとも億単位のお金が入っていたのだから、その一部を基金として、財団を作っておけば、こういう時代の支えになったのではないだろうかと思うんですよ。やっぱり、日本のモータースポーツの立場は危ういから、そういうことを当時から考えたんです。

レースの世界って、華やかに見えても土台は危うい。もっとなんとかしなきゃと、常に思っていました。なぜ危ういかって?。一つは、モータースポーツジャーナリズムがちゃんとしていないからとも言えるね。それは自分たちの責任だけど… それから、今は以前に比べてだいぶいいけど、レースがビジネスになっていない。とにかくお金が掛かるから、自動車メーカーの支援に負うところが多いし、スポンサーも持続性が薄い。

モータースポーツの魅力は、昔から変わっていないし、レース内容はずっとよくなっていると思う。だけど、周りの環境の影響を受けるからね。 また、インフラストラクチャーも整っていない。いや、以前よりはずっとよくなっているんだけど、まだ十分じゃない。

高橋二朗の言うレース界のインフラストラクチャーとは、先のデータブックはもちろん、競技の安全性の追求、会場となるサーキットの設備や、観客へのホスピタリティーなどをさす。ただそれらも、30年前に比べればはるかに改善され、マシン性能やコース設備を含めた競技の安全性は高まり、会場となるサーキットは美しく改修され、世界に誇れる、競技場という箱はできてきた。

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御堀 直嗣
筆者御堀 直嗣

1955年東京出身。自動車ジャーナリスト。玉川大学工学部機械工学科卒業。1978年から1981年にかけてFL500、FJ1600へのレース参戦経験を持つ。現在ではウェブサイトや雑誌を中心に自動車関連の記事を寄稿中。特に技術面のわかりやすい解説には定評がある。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。また現在では電気自動車の普及を考える市民団体「日本EVクラブ」副会長を務める。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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