【ahead femme×オートックワン】-ahead 11月号-「オンナにとってクルマとは」
- 筆者: まるも 亜希子
後ろ、見てますか?
ドイツの高速道路、アウトバーンを久しぶりに走った。
以前と変わらず感じたのは、「やっぱり走りやすいなぁ」ということだった。といっても、道路そのものは日本よりも古いはずだし、道路幅だってとくに広いわけでもない。
速度無制限で有名なアウトバーンだけれど、今ではその8割以上の区間に速度制限ができて、80キロや100キロの区間も多いから、それだって日本と同じだ。
だとしたら、何が違うのだろう。走りながら考えていると、ひとつ、気が付いたのが「マナー」だ。
まず、速度が遅いトラックやトレーラーが、ちゃんと右側の走行車線(日本では左側)を走っている。そして中央の走行車線を通常の速度の乗用車などが走り、追い越していくクルマは必ず追い越し車線(日本で言う右側の車線)から抜いていき、追い越しが終わるとまた中央車線にすみやかに戻る。 これが、どの場所でも徹底しているのだった。
だから、トラックが並んで走って追い越し車線を通せんぼする光景など見なかったし、遅いクルマが延々と追い越し車線を走り続けていることもなかったし、それに業を煮やして走行車線から抜いていく危険行為も、まったく見なかった。
これが、「走りやすいなぁ」と感じた大きな理由に違いない。
昔、女友達と2台のクルマで出掛けることになり、私は前をゆく彼女のクルマに付いて行った。一般道から高速道路にのり、彼女が途中のSAに寄ったので私も隣りに停めると、彼女が降りてきて驚いた顔で言った。
「なんでここに入ったのが分かったの?」
私の方がビックリだ。ずっと後ろに付いて走っていたのに、彼女はまったくそれに気付いていなかったのだ。つまり、一度も後ろを見なかったことになる。
とても残念なことに、高速道路の追い越し車線をノロノロ走っているクルマを見ると、女性ドライバーであることが多い。後ろに渋滞ができて、アオられたりパッシングされたりしても、気が付いていない。やっぱり、後ろを見ていないからだ。
某一流レーサーに尋ねたところ、レース中は「1秒に3回は後ろを見る」らしい。なので、私はそれを差し引いて、1秒に1回後ろを見ることにしている。
バックミラーはリップを塗るためにあるのではない。もっとしっかり、後ろを見て走ろう。
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