THE NEXTALK ~次の世界へ~ 日産自動車 実験技術開発本部 祖父江玲奈 インタビュー(1/5)
- 筆者: 御堀 直嗣
- カメラマン:佐藤靖彦
THE NEXTALK ~次の世界へ~
日々進化する自動車技術。それを取り巻く自動車環境・・・。
現代人の生活は、この「自動車」という分野と、隔絶し難い関係であることは言うまでもない。世界中の自動車メーカー各社が生み出す最新テクノロジーは、まさに目まぐるしい競争社会の中で、それぞれの成長過程を築き上げ、それを私たちの生活を含めた広い分野へと放出しはじめている。
しかし、我々の生活と自動車の密接なる関係は、一体どのように形成され、そしてどのように発展していくのか。そんな疑問に立ち返りながら、自動車と深く関わり合う業界のキーマン達へ直撃インタビューを行う企画、それが「THE NEXTALK ~次の世界へ~」だ。
さて、今回のキーマンは、当企画初の女性である。日産自動車 実験技術開発本部内の“女性の視点からクルマづくりに携わる部署”、その名も「カスタマーエンジニアリング部・女性への魅力創出グループ」で課長を務める、祖父江玲奈さんにスポットを当ててみた。
女性が考えるクルマへの価値観とは一体どういったものなのか・・・とても興味深い。
『KEEP SMILING BE HAPPY !』
女性仕様車という言葉は、1960年代に遡る。日産自動車の1961年型ダットサン・ブルーバードに、ウインカー作動時にオルゴールが鳴るとか、傘立てや、ハイヒール立てなど専用装備を36点も備えたファンシーデラックスと呼ばれる車種があり、これが日本初の女性仕様車とされる。
1980年代には、内装を可愛らしい柄にしたり、運転席側のサンバイザーにバニティミラーを設けたりといったことで、女性仕様の車種が用意されたこともある。だが、それらは男の考えた女性仕様車だと言う批判もあった。
女性の社会進出や、住宅の郊外化などにより、日本も欧米同様にクルマを日常の足とした生活が女性にも浸透している。だが、依然としてクルマは男の嗜好で開発される傾向が強い。
そうしたなか、日産自動車の開発本部内に、「女性への魅力創出グループ」と呼ばれる部署が2006年に誕生した。その初代課長として迎えられたのが、祖父江玲奈である。女性のクルマ感に切り込む。
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