THE NEXTALK ~次の世界へ~ トヨタ福祉車両 製品企画主査 中川茂インタビュー(4/5)

THE NEXTALK ~次の世界へ~ トヨタ福祉車両 製品企画主査 中川茂インタビュー
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パイはまだ、あまりに小さい

THE NEXTALK トヨタ 中川茂インタビュー

トヨタのウェルキャブは、福祉車両のシェア(市場占有率)で、軽自動車とバスを除くと7割を占めるという。これに日産自動車の福祉車両であるライフケアビークルを加えると、ほぼ全体を占めるまでになる。

トヨタが大きなシェアを確保する背景にあるのが、様々な車種への展開という品揃えが多いこと、また全国に「ハートフルプラザ」と呼ばれる福祉車両の展示場を設け、直接クルマを見て確かめる拠点を持つこと。また、ラクティスのようにインライン生産をしたり、販売台数が多かったりすることによって、価格的に競争力が高いことなどがあげられる。

THE NEXTALK トヨタ 中川茂インタビュー

【中川茂】ライバルメーカーと販売競争をする気はありません。まだまだ福祉車両の普及率は低く、市場というパイを取り合うような段階にはないと思うからです。市場はもっと大きくなってほしい。そうすれば、価格もより下げられます。そして、笑顔になれる人が増えます。

たとえば、車内に車椅子を固定する器具があるのですが、これは部品メーカーと協力してトヨタが開発しましたが、その器具を、トヨタで独占使用するつもりはないのです。他社の福祉車両でもどんどん使ってほしいと思っています。そういうことが、福祉車両の普及につながればいい。

まぁ、経営的には、そんな考えは甘いと言われるかもしれませんけれど(笑)

ところで、ここまでのインタビューでは、車椅子のまま乗り込めるスロープ車の話、つまり介護者が運転する福祉車両が中心だったが、自分で運転したいと言う障害者のためのクルマはどうなのか?

THE NEXTALK トヨタ 中川茂インタビュー

【中川茂】基本的には、ご自分で運転したいというクルマは、地域の架装メーカーが得意とする分野ではないかと思っています。というのも、身体障害者の症状は、お一人お一人の程度が異なります。いわばオーダーメイドでなければならず、そういう仕事は自動車メーカーには苦手なのですね(自動車メーカーは大量生産を前提とするため:筆者注)。ですから、棲み分けを考えています。

また、ご自分で運転する福祉車両は、スロープ車のように車体を切って改造する必要が少なく、内装の運転操作部分の改造ですから、架装メーカーが逆に得意とするところだと思います。とはいえ、障害の重い方の場合は、自動車メーカーが担うべきところもあるでしょう。

例えば、車椅子ごと運転位置に乗り込み、ご自分で運転操作するようなクルマです。あるいは、運転席がそのまま車椅子にもなるクルマとも言えるかもしれません。

トヨタの例でいえば、ポルテの「ウェルドライブ」がそれに当てはまります。車椅子そのものについても、実はトヨタと車椅子メーカーが協力して、クルマでの移動において、より適した安全な車椅子の開発も行っています。

福祉車両を、お客様視点で開発すると、やるべきことは次々出てくる。実際、身体障害者にとって、クルマは実用上欠くべからざるものであり、そのための使い勝手はまだまだ十分とは言えない状況にあるようだ。

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御堀 直嗣
筆者御堀 直嗣

1955年東京出身。自動車ジャーナリスト。玉川大学工学部機械工学科卒業。1978年から1981年にかけてFL500、FJ1600へのレース参戦経験を持つ。現在ではウェブサイトや雑誌を中心に自動車関連の記事を寄稿中。特に技術面のわかりやすい解説には定評がある。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。また現在では電気自動車の普及を考える市民団体「日本EVクラブ」副会長を務める。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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