エコカーの真相/第十回 排気量「1万4500cc」の「エコ」な最新型ターボエンジン!?(2/2)

エコカーの真相/第十回 排気量「1万4500cc」の「エコ」な最新型ターボエンジン!?
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セマイ(狭い?)トラックって、なに?

アメリカの長距離トラックと聞いて、40代半ば以上の読者なら「コンボイ」を連想するかもしれない。

1987年公開、シルベスター・スタローン主演の映画「オーバー・ザ・トップ」の劇中で、巨大トレーラーヘッド(トレーラーを牽引するトラック部分)の激突が話題になった。

この「コンボイ」とは、トラックや船舶などが集団で動くサマを表現する言葉。だが日本では、長距離トラック単体を「コンボイ」と言うようになった。

ところが、現地アメリカでは長距離トラックを「Semi Trailer Truck」という。

「Semi」を「セマイ」と発音する。今回、こうした「セマイ・トレーラー・トラック」たちが、ところ狭しに並んでいた。

完成車メーカーで見ると、「マック」「インターナショナル」「ボルボ」「ケンワース」などが多い。

ディーゼルチューニングと最新エコエンジン

補機類のアフター系メーカーも多数出展した。

大型トラックのエンジンはディーゼルが主役。そのため、大型ターボチャージャー、大型ラジエターなど様々なプロダクトがある。

また、大型トラックのエンジンルームは一般乗用車に比べて広く、パイピングのアレンジもしやすい。そのため、パイプそのものにエアブラシでペイントするなど、遊び心を発揮することが出来る。

ただし、この分野でも排気ガス規制は今後、急激に厳しくなる。「こうした遊びも、そろそろ潮時かも」(自身のトラックを出展したドライバー)という。

そうしたなか、エンジンメーカーは最新型エコエンジンを出展した。業界二大大手の「デトロイトディーゼル」と「カミングス」がエコ技術合戦を繰り広げていた。

なかでも注目を集めていたのは、デトロイトディーゼル「DD15」。

ダイムラーや三菱ふそうが搭載するブルーテック技術で排ガスクリーン化を実現。しかも、トルクフルで走行音が低い。

ちなみに「DD15」のスペックだが、直列6気筒・ボア139mmxストローク163mm・総排気量1万4500cc。最高出力560HP/1800rpm、最大トルク2509Nm/1100rpm。

エンジン本体の保証については、走行距離はアンリミテッド(無制限)。

インジェクターは32万km、その他の主要エンジン部品は80万km。また一般的な長距離運送で、メーカーが推奨するオイルチェンジ(フィルター含む)の交換時期は、8万キロ毎とした。この「DD15」、同社製品比で5%の燃費改善という。

日本の国土の25倍もあるアメリカ。鉄道輸送が少ないアメリカ。

この地での「5%の差」はかなり多いのだ。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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