エコカーの真相/第四回 軽自動車が消える!?新種エコカー「超小型モビリティ」の真実(3/3)

エコカーの真相/第四回 軽自動車が消える!?新種エコカー「超小型モビリティ」の真実
中国の電気自動車展示会。中国でも「超小型モビリティ」が流行りそう? ドイツの電気自動車展示会での試乗コーナー。欧州には「超小型モビリティ」っぽい電気自動車が様々ある トヨタ車体「コムス」。国土交通省の実証試験でも、「超小型モビリティ」のベンチマークとなっている ボルボの電気自動車の衝突試験車両。「超小型モビリティ」の動力性能は、こうした衝突試験との兼ね合いが大事 スズキ セニアカー「タウンカート」 画像ギャラリーはこちら

①寸法/乗車定員

寸法で確実なのは、軽自動車より小さい。つまり、全長3.4mx全幅1.48mx全高2.0mより小さくなる。

また現在、「ミニカー」というカテゴリーがある。これは道路運送車両法では、原動機付き自転車(四輪)という奇妙な区分けのクルマだ。具体的には、トヨタ車体「コムス」やタケオカ自動車工芸(富山県富山市)の車両たち。このミニカーの規定が、全長2.5mx全幅1.3mx全高2.0m。

ということで、「超小型モビリティ」は、「ミニカー」と軽自動車の中間の大きさになるだろう。

乗車定員は二人の可能性が高い。また、「超小型モビリティ」が登場することで、「ミニカー」や、軽自動車の枠組み自体が変わる可能性もある。

さらに、「セグウェイ」や「ウイングレット」などをどう扱うのかが課題。「原付き以下、歩行者以上」の新しい免許が必要になる可能性もある。または、走行速度が低いモノは免許が要らない、ということもあり得る。

②パワーユニット/走行性能

ボルボの電気自動車の衝突試験車両。「超小型モビリティ」の動力性能は、こうした衝突試験との兼ね合いが大事

「超小型モビリティ」=電気自動車、ではない。

しかし、社会実情を考えれば、電動化は当然の流れ。

問題は、その最高出力の規定だ。

現在、「ミニカー」は最高出力0.6kw以下、最高速度は50km/hで、車道を走行している。「超小型モビリティ」は「ミニカー」と同等程度の動力性能が妥当だと思う。

もし、「ミニカー」以上の動力性能となる場合、衝突試験が必要となる。現在「ミニカー」では衝突試験はメーカーにとって義務ではない。

③価格

ズバリ、50万円。これが筆者が各方面を取材して見えてきた価格だ。

現在の「ミニカー」は80万円前後。だがこれらは月販100~200台程度での価格だ。「超小型モビリティ」については現時点で、大手自動車メーカー以外に、自動車部品メーカーなど数社の参入の可能性がある。

市場規模が月販数千台~1万台を超える規模を考えれば、50万円が当然の価格だ。

新種のエコカー「超小型モビリティ」、今度の動きに要注目だ!

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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