電気自動車(EV)発表が相次ぐ「ロサンゼルスモーターショー2010」現地速報!(2/2)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史
LAオートショーでEV発表が相次いだ理由とは
そのワケは、CARBのZEVだ。
CARBとはカリフォルニア州大気保全局のことで、同局が定める排気ガス規制は世界で最も厳しいとされている。同局が長年推進しているスモッグ撲滅活動の中心がZEV(ゼロエミッションヴィークル)規制だ。
それが2012年からフェイズ3に入り、カリフォルニア州内での販売台数トップ6の企業(トヨタ、ホンダ、GM、フォード、日産、クライスラー)は、電気自動車または燃料電池車による「完全な電気自動車」、または「簡易的な電気自動車」であるプラグインハイブリッド車の販売台数の義務付けがあるのだ。
こうした「電気自動車に対する販売義務付け」があるのは、世界的に見て、カリフォルニア州だけ。もしこの法律に違反すると多額の罰金が課せられるが、それ以上に企業イメージの低下につながり兼ねない。
そのため日米大手各社は、世界市場での中長期に渡る環境対策とは「事実上、別の案件」としてカリフォルニア州ZEV規制を考える必要がある。そして当然、ZEV規制がキッカケとなり、各社の電気自動車開発が進むことになる。
韓国のヒュンダイは小型車の「エラントラ」を全面改良。
中国、インド、欧州、南米などで低価格・高品質で人気の「エラントラ」がさらに洗練された。日系各社関係者にとって大いに気になる1台だ。
レンジローバー「エヴォーク」は、先の仏パリショーでデビューした3ドアに加えて、5ドアバージョンが登場した。
その他の欧州系は、VWの「EOS」のマイナーチェンジが主で、メルセデス、BMW、アウディ、ポルシェはパリショー発表物の北米初公開となった。
米系では、欧州バージョンと融合する北米「フォーカス」の2012年モデル、ジープ「ラングラー」、「グランドチェロキー」が内装を大幅改良したマイナーチェンジが主だったところ。
展示で目立ったのは、クライスラーが導入したフィアット「500」。ライバルのBMW MINIを意識したファッショナブルな広報活動を繰り広げていた。
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