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イベントレポート 2010/7/21 11:02

アップリカ チャイルドシート衝突実験 取材レポート(2/2)

Text: 今井 優杏 Photo: オートックワン編集部
アップリカ チャイルドシート衝突実験 取材レポート

チャイルドシート未装着が多い理由とは

さて、チャイルドシート未装着の割合は先述の通りですが、その理由の多くが「赤ちゃんが激しく泣くから」「嫌がるから」というものだったそうです(アップリカ・チルドレンズプロダクツ調べ)。

つまり「赤ちゃんがかわいそう」「同乗者が抱けば問題ない」と考えている親が多い現状が予想されます。また、『乗車時、必ずチャイルドシートを使用する』と答えた人はわずか39.7%で、チャイルドシートを装着していても、使用していない人がいることもわかりました(アップリカ・チルドレンズプロダクツ調べ)。

しかし私は某ドライビングスクールで、1歳の子供に相当する重さの人形を抱いて、時速5キロからのフルブレーキを体験したことがあります。

断言します。絶対に子供を親の手で支えることは出来ません。わずか時速5キロでも、です。人形は私の腕すり抜けて、全席のシートに激突したのです。

しかし親心として子供を泣かせるのは可哀そう・・・それもわかります。

そこでアップリカは、クルマでも赤ちゃんが快適に過ごせ、親が可哀そうだと思わない、心配なく乗せられるチャイルドシートを開発しました。

それが世界的にも珍しいベッド型チャイルドシート『ベッティーノ』です。

頭が重く首が座っていない新生児をベットに寝かせることで、自然な仰向けを実現し、おなかの圧迫から来る酸素飽和度低下を防ぐというシート。クルマの進行方向に対して真横に寝かせるスタイルです。

赤ちゃんをクルマの中で仰向けに?!しかも真横?!これは従来型と比べて見た目的にもかなり斬新。

しかし、こちらも冒頭で述べた新生児ダミー(プレスリリースによると時速50キロ以上の衝突を何度もこなすスーパー赤ちゃん、だそう!)のテストで500回以上の衝突実験を繰り返し、安全性を確認しているとのこと。

ベッド型とイス型は同等の安全性があるのです。これは国内安全基準はもちろんのこと、グローバルな基準であるEC基準(ECER44)をクリアすることを前提に作られています。

取材中、研究所で実際に衝突実験を見ましたが、その剛性の高さには驚きました。赤ちゃんの眠りを妨げないで、しかも赤ちゃんの安全を守れるなんて、素晴らしいと思いませんか?私、正直この発想には感激してしまいました。

また、アップリカは誤使用の低下にも取り組んでいます。ベッド型チャイルドシート『ベッティーノ』は子供の成長に合わせて3つのスタイルに変化する3ステップ方式ですが、従来型はその3つともにシートベルトの取り回しが異なりました。

しかし新型は取り回しを統一することで誤装着を防止しています。今後もアップリカでは赤ちゃんが快適で安全なシートの開発に併せて、病院や保健行政、メディアを通じて着用率のアップを目指していきたいとのことでした。

取材の最後に、ゲストとしてアップリカのチャイルドシートで事故からお子様を守れた男性の体験談が語られました。追突事故に遭い、咄嗟に振り返ったとき、子供さんはチャイルドシートの上で笑っていたそうです。

加えて私はこのオートックワン内でレーシングドライバーの愛車を紹介する連載を持っていますが、皆さんチャイルドシートに対する意識がとても高いことに驚かされます。

クルマのプロであるレーサーだからこそ、クルマの楽しさと危険性の双方を熟知してらっしゃるんだなぁ、と感じていました。

子供が嫌がるなら、嫌がりにくいシートを選ぶ、という“優しい選択肢”も、今はあることを知っていただきたいと思います。

筆者: 今井 優杏
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