ボルダリングとは何か?
一度、ボルダリングをやってみたかった。
ロープを使わないで、自分の腕と足だけで数メートルもある巨大な岩を登っていくロッククライミングの一種がボルダリングだ。
アメリカのヨセミテ国立公園には、エルキャピタンという巨大な岩山があって、そこには1000メートル以上もの、ほぼ垂直な壁がそそり立っている。壁の途中に吊り下げたハンモックで仮眠しながら、数日掛けて登り切る。
もちろん、エルキャピタンを登れるのはエキスパート中のエキスパートに限られる究極のクライミングなわけだけれども、地球の重力に逆らいながら、自分の手と足だけで登っていくというのは、岩の大小にかかわらず変わらない。
日本には数名のプロがいて、その中には女性もいる。尾川智子さんは、2003年のAsian X-gamesに優勝しアジアチャンピオンとなったほか、2008年には日本人女性初の難度V12を達成するなど、日本を代表する女性クライマーである。
幸運なことに、その尾川さんがボルダリングを教えてくれるというのだ。なんて、僕は恵まれているのだろう。若葉マークのドライバーが、フェルナンド・アロンソ直々にサーキットでのスポーツドライビングをマンツーマンで教わるようなくらいスゴいことだ。
早朝、尾川さんのボルダリング用マットをフォード・エクスプローラーのトランクに積み込み、都内を出発した。ボルダリングでは、前述のようにロープを使わないので、岩をつかみ損ねたり、滑ったり、耐え切れなくなって、地面に落ちることがある。そのためのマットを敷き詰めて、登り始める。マットの大きさは畳一畳よりも少し幅広く、短い。
エクスプローラーのラゲッジは元々広大だが、床面と完全にフラットにつながる3列目シートを畳み込むと、さらに広大になる。マットが3枚とシューズに着替えなどを載せても、まだまだ余裕たっぷりだ。
「ずいぶん、広いんですね」
尾川さんもエクスプローラーの積載量に、驚いている。
ラゲッジスペースだけでなく、エクスプローラーは前席と後席回りの空間も余裕にあふれ、ゆったりとしている。大きなクルマであることは間違いないが、その大きさが乗る人の余裕につながっているのがうれしい。
4輪を駆動する4.6リッターのV8エンジンは、296馬力の最高出力と41.5kgmの最大トルクを発生している。まだ渋滞が始まっていない首都高速と東北自動車道を抜けて、栃木県塩原の福渡温泉にある野立岩を目指した。
早朝に、クルマでフィールドを目指す時の独特の高揚感と緊張感は他のドライブでは得難いものだ。街を離れ、自然の中に向かっていくこと自体にもワクワクさせられるが、その先には身体を動かすアクティビティが待っている。気持ちが昂らないわけがない!
今回、移動に使用したエクスプローラーは「エディバウアー」という最高グレードで、装備面も充実している。
「立派なルーフレールとトーインググリップですね」
さすがは、尾川さん。エクスプローラーのルーフレールと、リアエンドに装備された牽引用のトレーラーヒッチをめざとく見付けた。
アメリカは、アウトドアスポーツが盛んだから、クルマにもそのための装備が求められる。ルーフレールは二本のクロスバーが前後にスライドできる使い勝手のいいもので、トレーラーヒッチは、ボートやキャンピングカーなどを牽引するためのものだ。
これなら、納車されたその場からフィールドに出掛けられる。実用的でヘビーデューティな装備が充実しているところが、アメリカンSUVを代表するエクスプローラーらしい。
途中で、尾川さんに運転を代わってもらう。
「運転しやすいんですね。視界が優れていて、遠くまで良く見渡せます。もちろん、加速もいいから、高速道路での追い越しや山に入ってからの道がとても楽ですね」
尾川さんは、国内でクライミングに行く時は自分でクルマを運転していくという。前日に出掛け、翌朝早くから登り始める時もあれば、夏などは夕方に出掛け、持参したライトを点灯させ、夜間に登るというから驚く。いずれにせよ、そうしたライトや大きなマットなどを運ばなければならないから、クライマーにとってエクスプローラのようなクルマは必需品だ。






