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自動車評論家コラム 2010/4/28 17:47

世界初のバッテリー交換式EVタクシー、ベタープレイスの戦略とは/森口将之(2/2)

Text: 森口 将之 Photo: オートックワン編集部
世界初のバッテリー交換式EVタクシー、ベタープレイスの戦略とは/森口将之

EVタクシーにおける今後の課題

EVタクシーの充電池交換公開デモ
EVタクシー 充電池交換の様子-1ベタープレイスと日本交通「EVタクシー運用実証事業スタート」記者会見にて

個人へのメリットもある。EVに興味があって、一度乗ってみたいと思うユーザーは多いだろう。そういう人は六本木ヒルズにある専用乗り場からEVタクシーに乗ればいい。体験マシンの役目も果たしているのだ。

体験の結果、乗客がEVを購入すれば、間接的な環境対策になる。ベタープレイスはそこまで考えている。限りなく社会貢献に近い事業なのである。

課題はないわけでもない。日産デュアリスを改造したEVタクシーは3台で、バッテリー交換ステーション(BSS)は港区虎ノ門にある1ヶ所だけ。しかも実証運用は7月末日までの90日間となっていて、その後は他の企業同様、利益を出すための運用を迫られることになる。

(左)ベタープレイス・ジャパン 藤井社長/(右)ベタープレイス イダンオファー会長
世界初のバッテリー交換式EVタクシー(日産デュアリス)ベタープレイス

ベタープレイスや日本交通、資源エネルギー庁の積極的な姿勢は、発表会場にいるだけでもビシビシ伝わってきた。でも実証実験終了後にあっさり撤去されたコミュニティサイクルなどの前例も見てきているだけに、ここで結論を出すのは早計ではないかと思っている。

ただし、応援はしたい。実証運用終了後も粘り強く継続し、車両やステーションを増やし、利益を生む事業に育て、東京のタクシーをすべてEVにするぐらいの長期的な視点で、このプロジェクトを進めてほしい。

海を隔てた中国では、世界最大規模の北京モーターショーが開催されており、東京モーターショーの地盤沈下が報じられている。そのなかでベタープレイスは、世界初のバッテリー交換式EVタクシーのデビューの場にわが国を選んだ。

まだまだ日本は捨てたもんじゃない。だからこそ、与えられたチャンスを生かすべきではないかと考えているのだ。

筆者: 森口 将之
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