低燃費タイヤのラベリング制度/竹岡圭
- 筆者: 竹岡 圭
タイヤが燃費に与える影響の大きさ
昨年末から経済産業省、省エネルギー庁主催の「みんなのエコドライブまつり」と称した、エコタイヤのイベントMCとして、全国を回らせていただきました。
というのも、今年の1月から低燃費タイヤのラベリング制度が始まったからなんです。
昨年からハイブリッドカーや電気自動車など、地球環境を考えたクルマが続々と登場していますが、今年は低燃費タイヤの年とばかりに、タイヤ業界は気合いが入っているんですよね。
クルマを構成するパーツは沢山ありますが、路面と接しているのはたった4本のタイヤだけ。そのタイヤが燃費に与える影響って、実はものすごく大きいんですよ。
といっても見た目は黒くて丸いゴムのかたまりなので、どれが燃費がいいものなのか分かりにくい。そこで、低燃費タイヤだということを示す「タイヤラベリング制度」というものが、今年の1月から施行されたってワケなんですよね。
「タイヤラベリング制度」とは
タイヤラベリング制度は、JATMA(日本自動車タイヤ協会)が行っている任意のもので、タイヤ販売店等で購入できる、乗用車向けの夏タイヤのみが対象となります。
タイヤラベリング制度では、タイヤの「転がり抵抗係数」と「ウェットグリップ性能」を組み合わせたタイヤが、グレーディング(等級付け)されていきます。
等級は、転がり抵抗係数が5ランク(AAA、AA、A~C)、ウェットグリップ性能が4ランク(a~d)あるのですが、転がり抵抗係数が「A以上」ウェットグリップ性能が「d以上」のタイヤが低燃費と定義され、「低燃費タイヤマーク」を掲げることができることになります。
ちなみに、このタイヤラベリング制度は基準がかなり厳しいらしく、転がり抵抗係数がAAAなんていうタイヤは未だに存在しないんだとか・・・。ウェットグリップ性能も推して知るべしで、a~dの中に入っていればかなりの高性能と言えるんだそうです。
この2つを満たしているというんですから、ユーザーからしてみれば、低燃費タイヤマークがついているものは「よく転がるので燃費がよく、低燃費タイヤが苦手としてきた濡れた路面でもしっかりグリップする性能も、きちんと持っているタイヤ」ということがひと目でわかるというワケで、簡単に安心して選ぶことができますよね。
今まではカタログを見ても、例えば「当社比○%向上」といったことが書いてあっただけなので、横並びで比べるのは正直困難でしたから・・・。
これからはメーカー別に横並びで自分の欲しい性能をチョイスできるという点でメリットがありますし、なんといっても販売店の方がオススメしやすくなったのではないでしょうか?
エコ替えと言われても、クルマはそうそう買い替えることができませんが、タイヤは消耗品なので履きかえるチャンスも多いですから、かなりのお役立ちマークになりそうです。
でもいくら低燃費タイヤに履き換えたといっても、空気圧が下がっていると効果は発揮できませんし、またエコドライブにも気配りしないと、これまた効果半減。
エコを実践するには、やることがたくさんあって・・・という裏を返せば、ひとつでも実践すればエコの第一歩になるワケですから、まずは出来ることから実践したいものですね。
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