本格的なEV時代の幕開け/日下部保雄のコラム(2/2)

本格的なEV時代の幕開け/日下部保雄のコラム
三菱 i-MiEV 日産 リーフ 日産 リーフ 充電イメージ 画像ギャラリーはこちら

EVの充電ネットワーク網も整備が進んでいる

日産 リーフ 充電イメージ

そして、EVでもっとも障害になりそうなのが充電だ。

もともとEVは後続距離が短く、すぐに給油ならぬ充電が必要なので、充電スタンドのインフラは今後急務になる。幸い充電コンセントは日本では共通化されたので、日産、三菱関係なく充電できそうだが、15~30分程度で充電できる急速充電器はまだ数が少なく、三菱関連では全国で約50箇所に留まる。

その他の三菱全販売店では200Vの充電器が設置されるが、これだとバッテリーが空の場合は7~8時間ほど掛かるので、滞在先などに充電器がある方が喜ばしい。

つまり、日産が提唱する全国旅館組合への呼びかけなどは需要は別にして理にかなっていると言えるだろう。

また、三菱や日産の販売店で充電が出来るなど、充電ネットワークは着々と整備されている点もお伝えしておく。

ただ、急速充電器本体は200~300万円とも言われているので販売店も含めて実際の増加は、EVの販売台数が増えないと設備投資が加速されないだろう。

さて、EVの本命、リチウムイオンバッテリーは発電が化学反応だけに、機械モノの生産のようにはいかない。歩留まりがまだ悪いので、こちらもバッテリーの生産が軌道に乗らないとコストは下がらない。

さらに、大きな出力を必要とする自動車用モーターの芯に使われるレアメタルのネオジウムは、リチウムよりも生産量が少なく、これは殆どが中国から手に入れている。

こんな条件を考えるとEVの価格は直ぐには下がりそうもないが、代替メタルが開発、あるいは発見されれば、こちらもブレークスルーの可能性もある。

要は成熟期にある内燃機に比べてEVはまだまだ発展途上。これがスタンダードと言う形はない。だからこそ多くの人は、EVに対していろいろな夢を見るのだ。

そして当の三菱はi-MiEVを近距離用の乗り物と考えており、ガソリン車のように距離を気にせず乗るという使い方は、2013年登場のプラグインハイブリッドで、と言う戦略に進むようだ。

EVを積極的に推し進める日産とクールな三菱。同じEVでもすでに取り組み方が異なるのが面白い。

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日下部 保雄
筆者日下部 保雄

大学卒業後、モータージャーナリズムの世界へ入り、自動車専門誌をはじめ各媒体に新車の試乗レポートやコラムを寄稿。最近では、雑誌媒体のほかにFMラジオやインターネット自動車情報サイトでも活躍。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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