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インタビュー 2010/4/2 18:38

慶応義塾大学 清水浩教授インタビュー 第2弾(2/3)

Text: 森口 将之 Photo: オートックワン編集部
慶応義塾大学 清水浩教授インタビュー 第2弾

EVの問題は充電インフラ整備ではなく課金をどうするかだ

質問:交通事故などを想定した感電や漏電の対策は、どのように行っているのでしょうか。(ヌヌギ隼さん)

清水教授:その面については、法規が少しずつ整備されています。強い衝撃を受けても高圧線が露出しない構造とし、衝撃を感知して電気を遮断する方法も考えています。漏電対策については、洗濯機と同じ方法を導入すると考えてもらえれば理解しやすいのではないでしょうか。

質問:EV普及のためには、インフラ整備の一環として、マンション居住者の充電問題の解決が不可欠です。なにか良い考えがあったら教えてください。(コダマさん)

清水教授:マンションの駐車場はパレット式が多いですが、パレットにコンセントをつけることは不可能ではありません。パレット自体、電気で動いているんですから。それよりも問題なのは課金をどうするかです。

モータージャーナリスト 森口将之氏

質問:充電に使った電気料金の徴収ですね。

清水教授:現行の法律では、電気事業者以外が料金を取ることは認められていません。それ以外の業者でも徴収できる制度にする必要があります。

駐車場代といっしょに支払ってもらうなど、方法はいくつもあります。法律というのは、問題が起きてからでないと変わらないし、いまはEVがほとんど走っていないから、インフラをどうすべきかわからないのでしょう。

質問:バッテリー生産にはレアメタルの確保が重要だと思いますが、需要に追いつく供給ができるとは思えず、EVが未来のモビリティの主役になるとは考えにくいのですが、この点についてはどういう見解でしょうか。(サナダさん)

清水教授:リチウム(Li)はレアメタルではありません。岩塩から採取できることでもわかるように、豊富に存在しています。しかもリチウムイオン電池に使われるリチウムは重量比でわずか1%です。世界中の人がEVを持ち、ソーラー発電の電力を蓄電池に貯めるような使い方をしても、問題なく供給できます。

質問:モーターに使われる銅についてはいかがでしょうか。

Eliicaのプラットフォーム

清水教授:銅についても問題はありません。それより注目すべきは磁石に使われる希土類です。インホイールモーターにはネオジム(Nd)と鉄の合金を使いますが、ネオジム合金は120℃以上で磁力が弱まる特性があります。それを防ぐのがディスプロシウム(Dy)ですが、こちらは中国でしか取れないレアメタルです。

ネオジウムの産出国も中国ですが、こちらは希少ではありません。インホイールモーターは放熱性がいいので、ネオジム磁石で問題ないと考えています。

質問:車両価格が高いのはこれらの金属が原因という人もいますが。

清水教授:リチウムの価格は1kgあたり400円、ネオジムは2000円です。200kgの電池にかかるリチウムのコストは800円に過ぎません。磁石にはネオジムが25%含有されていますが、2kgの磁石を使ったモーターでもコストは400円です。バッテリーやモーターの価格が高いのは、手作りだからです。大量生産を導入すれば大幅に安くなります。

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