高速道路で大きな地震に遭遇した時の対処法【高速道路でのトラブル対処法:その9】

  • 筆者: オートックワン 編集部
  • カメラマン:NEXCO中日本

高速道路上で大きな揺れを感じたら…

高速道路の走行中は、一般道に比べてスピードが高いものです。もし高速道路を走行中に大きな揺れを感じて地震が来たと判断しても、急な減速やハンドル操作は行わず、落ち着いた行動をとってください。

いざ! という時に冷静な判断ができるように、以下の対処法を読んでおさらいしておきましょう。

走行中に地震を感じたら

・決して急ブレーキをかけないでください。ゆっくりと減速し、慌てずに左側路肩に停車して、エンジンを止めましょう。

・”長大法面(コンクリなどで補強された人工斜面)”の下やトンネル坑口付近では、震度の大きさによって崩落の危険がありますので、極力その場所をさけて停車しましょう。

・高速道路では計測震度4.5(震度5弱に相当します)以上で通行止めを行い、道路の点検が行われます。

・大地震の場合、本線車道は緊急車両が通行します。

・休憩施設で強い地震に遭遇したら、係員の避難誘導に従いましょう。

緊急地震速報を受信した場合は

緊急地震速報は、2007年10月から気象庁によりラジオ・テレビなどを通じて提供されています。受信時には以下の点に注意して、落ち着いた行動をしましょう。

・後続の車が情報を聞いていないおそれがあることを考慮し、あわててスピードを落とさない。

・ハザードランプを点灯するなどして、まわりの車に注意を促したのち、急ブレーキはかけずに、緩やかにスピードを落とす。

・大きな揺れを感じたら、急ハンドル、急ブレーキをさけるなど、できるだけ安全な方法により、道路状況を確認して左側に停止させる。

「緊急地震速報」とは?

緊急地震速報は地震の発生直後に、震源に近い地震計でとらえた観測データを解析して震源や地震の規模(マグニチュード)を直ちに観測し、これに基づいて各地での主要動の到達時刻や震度を推定し、可能な限り素早く知らせる情報です。

路肩に停車した後はこうしよう

・エンジンを止めたら、追突事故が起きないようにハザードランプをつけ、停止表示板を後方から進行してくる車から見えやすい位置に置き、前後の車両の間隔をとるなど、余震などへの予防措置をとりましょう。

・デマや流言に惑わされないよう、警察や高速道路会社の指示、または、ラジオやカーナビによる公共機関の情報によって慎重に行動しましょう。特に沿岸部については津波が来る可能性がありますので、津波の高さや到達時間などをラジオ等で情報収集しましょう。

デマに惑わされず、正しい情報を収集する

新潟地震では、「もっと大きいのがくる」というデマに、人々はパニックに似た心理状態になりました。関東大震災では、放火だというデマで恐ろしい暴動に似た状態になりました。現代社会でも、地震の怖さに変わりなく、地震時の人心不安は大きいものです。今日の情報は、公共の電波で確保されており、情報が失われることはありません。一部の人のデマに惑わされず、ラジオ等公共の情報を信頼し、慎重な行動をとるようにしましょう。

やむを得ず車を離れるときは

・エンジンを切り、窓ガラスをしっかり閉め、ドアはロックせず、キーはつけたままにしておきましょう。救護活動や事後処理に支障をきたす場合は、車を移動させることがあります。(可能であれば車内に連絡先を記したメモを残しておきましょう。)

・貴重品などは、車内に残さないようにしましょう。

・他の通行車両に撥ねられないために、車内や路肩には残らず、非常駐車帯やガードレールの外など、安全な場所に避難しましょう。

・全体の災害状況は、道路情報板やハイウェイラジオ、また警察や高速道路会社のパトロールカー搭載のスピーカー、サービスエリアなどの拡声放送によって、情報が提供されます。

緊急通行車両の通行を確保するため、放置車両を移動することがあります。

災害などで避難のために車を離れるときは、車を左に寄せ、サイドブレーキをかけ、エンジンを止めてキーを付けたまま、ドアのロックはしないでください。

2014年11月21日施行 災害対策基本法の一部改正により、首都直下地震や大雪などの大規模災害時に緊急通行車両の通行の妨害となる場合には、妨げとなる放置車両・立ち往生車両を、道路管理者が移動するなどの措置を行うことができるようになりました。

車両火災が発生したら

・1台の火災でも、渋滞しているとすべての車両が火災に巻き込まれる恐れがあるため、お互いに協力して、初期消火に努めましょう。

・車両火災に備え、日ごろから消火器を備えておくよう心がけてください。(危険物運搬車には、消火器の設置が義務づけられています。)

いざという時のための備えと非常用品

過去にあった災害の経験から、最小限クルマに備えておきたい物一覧です。

1、水(常時、1Lぐらいのポリタンクに入れておくようにしましょう)

2、食料(調理なしで食べられるもの)

3、灯火類

4、携帯ラジオ(車がこわれて、カーラジオが聞けないことがあります)

5、応急医薬品

6、毛布

7、ロープ

8、消火器

9、車脱出用ハンマー

警戒宣言が出されたら

高速道路の交通規制はどうなるの?

・強化地域への流入は制限されます。

・強化地域内のインターンチェンジからの流入は、制限されます。

・その他、状況に応じて必要な交通規制が行われます。

ドライバーはどうしたら良い?

・警戒宣言が出されたら、慌てずにゆっくりと減速し低速走行に移りましょう。

・カーラジオ等で、断続して地震情報や交通情報を聞き、その情報に応じて冷静に行動しましょう。

警戒宣言が出されると、高速道路は緊急輸送路となります!

高速道路では、本線上の道路情報板や、ハイウェイラジオ、また長大トンネル内のラジオ再放送、サービスエリアなどの拡声放送等によっておこなわれます。

「出典・イラスト提供:NEXCO中日本」

http://www.c-nexco.co.jp/safety/justincase/

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筆者オートックワン 編集部
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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