レカロシートといえばクルマ好きなら誰もが知るドイツの名門シートメーカーだ。数多くの自動車メーカーに採用されているほか、モータースポーツ用シートとしても名を馳せており、チューニング系カスタマイズではなくてはならないメーカーだ。
そのレカロが、東京オートサロン2018の会場で初公開された「PRO RACER RMS」を体験出来るちょっと変わったブースを設けていたのでご紹介したい。
“ちょっと変わったブース“というのも、ブース内にレカロのモータースポーツ用シートがたくさん並んでいたのだ。日常ではなかなか味わえないモータースポーツ用のシート、しかもレカロということで、来場者の多くがシートに座って感触を確かめていた。
同社のブースでは昨年も同様に体験用シートが並べられていたが、今年は1種類のモータースポーツ用だけが並んでいた。そしてスポーツシートの正面にはラジオのDJブースも設けられていたため、そのシートたちはそのまま観客席としても使用でき、また、最前列のシート前にはダミーのステアリングが設けられていて、実際のクルマに装着したときのイメージができるという趣向も楽しい。
筆者も座ってみたところ、身体がすっぽり収まって全くブレることがない。カーボンもしくはファイバー製の背もたれと座面が一体となったシェルに薄いクッションが貼られているだけの構造なのだが、見た目のスパルタンな印象を覆すほど座り心地が良かった。
ふんわりとしたクッションのシートではないのに、まるで体の一部になったかのようで、そのまま寝てしまうのではないかと思うほどだ。
このシート「PRO RACER RMS」はレカロジャパンで開発されたジャパンオリジナルモデルである。レカロジャパンではレカロの原点でもあるモータースポーツを通じて運転技術を学んだり車の素晴らしさに気づくことができると考え、日本人の体型、日本のクルマ向けに2年がかりでゼロから開発した。
すでにRMSはモータースポーツシーンにも実戦投入され、多くのレーシングドライバーからホールド性と快適性で好評を得ている。
なおRMSは2種類がラインナップされ、オートクレープ・カーボンファイバーシェル仕様の本格的スポーツシートの「2600A」は48万6000円、グラスファイバーシェル仕様の2700Gは15万6600円(いずれも消費税込)となる。発売開始予定は4月頃とのことだ。
[Text:遠藤イヅル/Photo:島村栄二]
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