近くに無いと困る!年々減るガソリンスタンド、低燃費車の増加で今後どうなる?

低燃費は消費者は嬉しいがGS経営には辛い

Q:最近、低燃費車がどんどん増えて環境には良いことだと思いますが、ガソリンスタンドの経営はツライと思います。ガソリンスタンド経営は、自動車の平均燃費がリッター何キロくらいまで耐えられるのでしょうか?

A:ものすごく難しい質問ですね。ガソリンスタンドは、すでに数がどんどん減りつつあります。平成6年度のピーク時には、全国に6万軒強のガソリンスタンドありましたが、平成28年度末には、3万1,467店にまで減りました。

この22年間に、約2万8,000店ほどのガソリンスタンドが閉店しているのが現状です。

>>今年のガソリン価格動向は?

ガソリンスタンドが徐々に数を減らしている理由としては、クルマの保有台数が頭打ちなのに対して、新型車の燃費は年々向上し、ガソリンの販売量が落ちているからです。また、それが過当競争を生み、ついて行けない店は続々と廃業しているのが現状です。

知り合いのガソリンスタンド経営者の話だと、正直ガソリン販売だけでは商売にはなっていないといいます。その他の修理や代行サービスで賄っているのだそうです。他の小売業のようにネット販売等はできないガソリンですから、ガソリンで走るクルマがなくならない限り、ゼロになることはないですが、今後もガソリンスタンドが減っていくのは確実だと思います。

乗用車(新車)の燃費は、売れ筋のコンパクトカークラス(1266kg以上1516kg)の旧燃費基準10・15モードの平均で見ると、平成5年度に約9.9km/Lだったものが、平成24年度には21.1km/Lと、20年弱で倍以上にまで向上しています。

ガソリンの国内販売量のピークは、バブル期と思われがちですが、意外にもそうではなく、平成16年度。ただこの裏には、排ガス規制の強化によってディーゼル乗用車が激減し、ガソリン車に転換したという背景があるので、ガソリン・軽油を合計すると、20年ほど前から販売量は横ばいとなり、13年前からは確実に減少しつつあります。

ガソリン販売市場の縮小とコスト競争

さて、ガソリンスタンドの経営は、平均燃費がどれくらいになるまで耐えられるか? という質問ですが、“現在すでに、市場の縮小とコスト競争に耐えられなくなった店から順に、どんどん閉店しているという現状”がある意味、答えといえるでしょう。

競争に負ける要因としては、店が小さい、立地が悪い、設備が古い、サービスに特色がない、などが挙げられるでしょう。

筆者の家の近所には2軒のガソリンスタンドがありますが、集客数にはかなりの差があります。共にガソリンの値段は同じなんですが、混んでいる店は設備が新しくてキレイ、さらには洗車を得意にしています。

ガソリンや軽油の販売だけでは利益が出せない小規模店は、洗車やサービスなどに特化して、なんとか利益を出すように努力しています。

一方、郊外の大型店は、セルフ化による人件費の削減で価格を安く抑え、大量に集客することで経営を維持する。という、二極分化が進みつつあるようです。

今後、電気自動車等が増えてくると予想されます。しかし、ガソリンスタンドには急速充電器等の設置ができません。ガソリンは揮発性が高いので、静電気でも引火する場合があります。そんなところに充電器は設置できませんからね。

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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