ESCの義務化に思う/河村康彦(1/2)

ESCの義務化に思う/河村康彦
アウディ ドライビングエクスペリエンス アウディ ドライビングエクスペリエンス メルセデス・ベンツ ドライビングエクスペリエンス メルセデス・ベンツ ドライビングエクスペリエンス 画像ギャラリーはこちら

ESCの義務化に思う/河村康彦

『日刊自動車新聞』の2月22日付け紙面一面トップに、「国土交通省が来年以降の早い時期にESCの装備を義務付け」という記事が掲載された。

この原稿の執筆時点では、同様記事は他のニュースソースには見られないようなので、普段だと「“業界新聞”のくせにまた他の一般紙のニュースの後追いか・・・」という印象の強いこの新聞的には、――もちろんその内容が事実であるならば――久々の“スクープ記事”という事になりそうだ。

記事曰く、「国交省では義務付け時期を検討しているが、2011年以降の出来るだけ早期に適用したい考え」との事。ただし、「軽自動車には搭載スペースやコストの関係から一定の猶予期間を検討する」とも。

日本では「横滑り防止装置」などといささか違和感の残る訳が当てはめられるESC。

加えて、自動車メーカーによってESPだのVSCだのVDAだのとまさに千差万別(?)な呼び名を用いる事もあり、それがまた解り難さを助長させているかの印象もあるこのアイテム。

いずれにしても、それがリアルワールドでの事故防止に絶大なる威力を発揮する事は、ちょっと調べ物をしてみれば様々なデータからもすぐに裏づけが取れる事柄だ。

アウディ ドライビングエクスペリエンス

何しろ、「4輪個別のブレーキ力を用いて走行進路を巧みに安定させる」という“人力”では到底及びの付かない技で姿勢を安定させるのだから、スピンやドリフトアウトなど、通常であればもはやドライバーには殆ど手の施しようが無い危険な挙動を封じ込める効果はバツグンなのである。

人によっては「そんなのは高速道路でしか効かないもの」とか「滑り易い路面以外では無用の長物」なんていう人も居るけれど、ESCは例え60km/hでドライ路面を走っていても、イザというシーンではその威力を存分に発揮する。

そういえば、首都高速で前を行くミニバンが進路を迷ったのか分岐路の直前で急ハンドル!

でも、もう間に合わないと判断したのか今度は逆方向に急ハンドルを切ると、今度そのまま真横を向いてご丁寧にも横っ腹から分岐部の頂点に激突というシーンを目撃した事があるが、その時も別に路面は濡れていたわけではなかったし、速度もせいぜい60km/h程度だったもの。

かくも速度が遅かったので乗員は大事に至らなかったようだけれど、これだってESCさえ付いていれば無事に切り抜ける事が出来たはずの典型パターンなのだ。

1 2 次へ

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

検索ワード

河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる