慶応義塾大学 清水浩教授インタビュー(1/2)

  • 筆者: 森口 将之
  • カメラマン:オートックワン編集部
慶応義塾大学 清水浩教授インタビュー
インタビュー中の清水浩教授 インタビュー中の清水浩教授 インタビュー中の清水浩教授 (左)清水浩教授/(右)森口将之氏 森口将之氏 シムドライブ(SIM-Drive)設立発表会 (左)森口将之氏/(中)Eliica(エリーカ)/(右)清水浩教授 Eliica(エリーカ) Eliica(エリーカ) 車体構造 プラットフォーム 画像ギャラリーはこちら

30年にわたる独自のEV研究

クルマの研究をしているのは自動車メーカーだけではない。官公庁から中小企業まで、さまざまな立場の人々がクルマと向き合っている。

インタビュー中の清水浩教授
(左)清水浩教授/(右)森口将之氏森口将之氏

大学も例外ではない。むしろ電気自動車(EV)の分野では、近年大学絡みのニュースが多いことに気づく。その主役といえるのが、30年にわたり独自に研究を行ってきた慶応義塾大学の清水浩教授だ。

「EVの研究は、大学に来る前から始めていました。以前いた環境省国立環境研究所で、大気汚染測定機器のレーザーレーダーを開発していたんですが、測定はできても改善はできない。そこで、大気汚染を改善できる電気自動車に取り組み始めたのです」

まもなく清水教授は量産車ベースのEVを製作するが、そこであることに気づく。既存の自動車のエンジンをモーターに換えただけでは効率が悪い。EVにはガソリン車と違うパッケージングが必要だと確信したのだ。

「だから2号車以降は、車輪のなかにモーターを入れるインホイールモーターを採用しました。また、慶大にきた1997年に発表したルシオールでは、角断面フレームの内部に電池を内蔵しました。これにより、エンジンルームや燃料タンクに相当する空間が必要なくなったのです」

Eliica(エリーカ)

こうしたテクノロジーを用いて、2004年に製作されたのがエリーカだ。

「EVは遅い」という噂を払拭すべく、8モーターの8輪車としたエリーカは、EV史上最速の370㎞/hをマークしたことでも有名だ。僕も少しだけドライブさせてもらったことがあるが、その発進加速はこれまで体験したどの市販車よりも強烈で、EVの実力を教えられた。

清水教授はエリーカを生産販売することも考えたというが、同車に試乗し感銘を受けたベネッセコーポレーション福武總一郎会長の助言もあって、社会貢献という道を目指す。

ガリバーインターナショナルなどの賛同を受け、自身が社長を務める新会社シムドライブ(SIM-Drive)を今年8月に設立したのだ。

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森口 将之
筆者森口 将之

1962年東京都生まれ。モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。自動車専門誌の編集部を経て1993年フリーに。各種雑誌、インターネット、ラジオなどのメディアで活動。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。グッドデザイン賞審査委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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