韓国自動車事情2/日下部保雄のコラム
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:日下部保雄
いよいよトヨタが韓国自動車マーケットへ参入
韓国事情の続きをレポートしよう。
韓国の自動車事情はそのシェアの殆どを世界ナンバー5の現代自動車が握っている。日本だと完全に独占禁止法に引っかかるシェアだが、戦後の伝説を作ってきた韓国2番目の財閥のダイナミズムには目を見はるものがあり、かつてマツダのフェスティバを作っていたこともあるKIAも今は現代自動車の傘下に納まっている。
前回のレポートのように現代自動車のデザイン力は急激に上がっており、路上で見たジェネシス・クーペは思わず振り返ってしまうほど魅力的だった。チャンスがあれば是非ハンドルを握ってみたいものだ。
その現代自動車の目下最大の課題はトヨタだ。これまで韓国にはレクサスは導入されていたが、トヨタは関税や韓国の政策的な問題もあり輸入されていなかった。
その世界の巨人、トヨタがいよいよ10月から韓国で展開される。現代自動車はこれにターゲットを絞るようにモデルチェンジサイクルにあったモデルや新型車種を投入、あるいは計画されている。もともと現代自動車のモデルサイクルは短く(かつての日本車のよう)タイミング的にもフレキシブルに対応しているようだ。
YFソナタなどは、まるでパサートCCのような4ドアクーペ的なフォルムを持っているし、この他にもメイン車種のインターセプターの準備もされているようだ。
一方、トヨタの韓国での戦略も興味深いものがある。なぜならトヨタブランドは韓国のユーザーにとっては新鮮で、世界の大衆車ブランドと言うよりも革新的で新しいことが出来るメーカー、時代の先端を進んでいるメーカーと言うイメージだ。
トヨタがこのようなイメージを持たれている韓国マーケットに適したモデルを、どのように展開していくのかを考えると面白い。ボクが韓国に注目しているのはトヨタが世界で躍進著しい現代自動車とどう戦い、それが厳しくなる一方の世界の自動車業界の中で、どんな位置づけにあるのか興味があるからだ。
現代自動車にしても全てが順風万帆と言うわけではなく、日本市場での苦戦、労働争議の火種などを常に抱えている。日本市場で見れば数字に表れないこのメーカーだが、この国の活力はもっと広い視野で見ていたほうがよいだろう。
写真は韓国版オービス。日本のものよりずっと小さく、手前の看板を注意していないと見逃しそうだ。ちなみに韓国の制限速度は日本よりはるかに合理的で一般道でも60キロ~80キロまで出せるところがあり、高速は一部120キロだ。
もっとも韓国ドライバーは飛ばしたがり屋で、高速では140キロぐらいで平気で走行車線から抜いていく。この国では気合だな、運転は・・・。もう一枚は韓国でのボクのグッドフレンド、趙さんでした。昨年の写真だけどね。
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