スーパーGTを知る!【第三回】マシンレイアウトとコースレイアウト(2/2)

  • 筆者: 山田 弘樹
  • カメラマン:GTアソシエーション
スーパーGTを知る!【第三回】マシンレイアウトとコースレイアウト
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「パワーのFIA-GT」VS「コーナリングのJAF GT」、SUGOを制したのは…?

そんな目で第4戦 SUGO 300キロレースを見てみると、レースは俄然面白くなる。スポーツランドSUGO(宮城)は、高低差が激しい上に低・中・高速コーナーが全て揃うテクニカルサーキット。その上コース幅とランオフエリアが非常に狭く、GT500と混走しながら走るのは、かなりチャレンジング。また天候が変わりやすいことからトラブルは絶えず、「SUGOには魔物が棲んでいる」とまで言われている。

そんなSUGOでポールポジションを獲得したのは、ポイントリーダーである♯25 VivaC 86 MC(松井孝充/山下健太)。このとき既に25号車は58kgものウェイトを積んでいたが、チャンピオンチームとしての能力が♯18 UPGARAGE BANDOH 86 MC(中山友貴/川端伸太朗)と♯60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(飯田章/吉本大樹)を押しのけた。

そしてレースはまさに、波乱に次ぐ波乱の連続だった。なぜなら今回も、全部で3回のセーフティカーが導入され、それがレースを大きく左右してしまったからだ。

決勝は小雨が降りながらも、路面はドライという難しい状況でスタート。

序盤は25号車がレースを牽引したが、開始直後にGT500マシンのトラブルでまず1回目のセーフティカー(S/C)が導入された。

そしてS/Cインした10周目には、2番手を走る18号車と、後ろから追い上げてきた♯3 B-MACX NDDP GT-R(星野一樹)のバトルが勃発。しかしここに、先を急ぐGT500マシンが絡んでしまい、なんと18号車は戦線から脱落してしまう。

さらに路面はウェット度合いが激しくなり、ここでブリヂストンタイヤの力を発揮した♯65 LEON CVSTOS AMG(黒沢治樹)が、トップ争いを演じていた25号車と♯51 JMS P.MULMcorsa RC F GT3(中山雄一)を一気にパス。一躍トップに躍り出たあとも、大量のマージンを築き上げた。

常識を覆す荒れたレース展開、それがスーパーGTの面白さだ!

【スーパーGT公式】スーパーGT第4戦SUGO

しかし一筋縄で終わらないのがSUGOのレース。38周目にGT500マシンがクラッシュしたことで再びセーフティカーが入り、このマージンは一気に消滅してしまったのである。さらにこのセーフティカー明けのピットインが、各車の明暗をくっきりと分けてしまう。狭いSUGOでのピットの混乱を避けるかのように、ペースが良かった上位4台はレースを続行。しかしそのたった2周後に、再びコースでは1コーナーと最終コーナーでコースアウトが起こり、この日三度目のS/Cが導入されてしまったのである。

これで65号車をはじめとした上位陣は、実に大きな損失を被ってしまった。既にピットインを済ませていたライバルたちはセーフティーカー導入と共に上位陣の後ろに付き、新品タイヤでレースを再開。逆に上位陣は、S/Cインしたあとでピット作業をしなければならなくなってしまったのだ。

レースは結果としてそれまで表彰台圏外にいた♯11 GAINER TANAX AMG GT3(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)が優勝。圏外だった♯50 Ferrari 488 GT3(都築晶裕/新田守男)が2位に入り、かろうじてポールポジションを取った♯25 VivaC 86 MC(松井孝充/山下健太)が3位に踏みとどまった。

コースレイアウト的にはJAF GT勢に有利とされるSUGO。しかしその荒れたレース展開が、そんな常識をも簡単に覆してしまう。それがスーパーGTのおもしろさであり、まさに今回も“魔物”に翻弄された一戦だった、と言えるだろう。

[Text:山田 弘樹]

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山田 弘樹
筆者山田 弘樹

自動車雑誌編集者としてキャリアをスタート。輸入車雑誌 副編集長、アルファ・ロメオ専門誌編集長等を経て、フリーランスのモータージャーナリストに。レース参戦なども積極的に行い、走りに対する評価に定評がある。AJAJ会員。カーオブザイヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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