高尾山口駅から再び国道20号を
甲府方面へ駆る。
しばらく走るとまず待っていたのが、ご存知、大垂水峠。若い頃に走りに来たことを思い出しつつ、スポーツカーならけっこう攻め甲斐のあるワインディングロードを、約850kgの荷物を満載したキャラバンで走る。走りには正直全く期待していなかったわけだが、思ったよりもずっと走りやすい。安定感には目を見張るものがある。
荷物の重さに負けてもっと上り坂ではかったるい思いをするのではと予想していたのだが、意外と大丈夫だ。重いし重心高も高いので、乗用車のようなわけにはいかないとはいえ、そんなハンデを感じさせないほどラクに走り抜けることができた。前方視界も良いせいか、やっさんも過ぎ去る新緑の景色を楽しんでいる。
そして相模湖のほとりを抜けて山梨県へ。
ダラダラと続くワインディングと、笹子トンネルを抜けて勝沼の長い坂を下ると、そこは広大な甲府盆地。外は甲府名物の灼熱の暑さだが車内はいたって快適。
しばらく走って、甲府市内を通過するころは、ちょうど休日のお昼前ということもあり、バイパスは数kmに渡る渋滞。常に発進停止を繰り返す状況が続く。思ったようにペースアップできない。そしてわが娘やっさん、いつのまにか寝に入る・・・。
甲府市内を30分ほど走り、ようやく休日渋滞を通り過ぎると、状況は一変して信号もまばらな、いかにも地方都市の郊外っぽい道が続く。
左に南アルプスの山脈、右に八ヶ岳の雄姿を横目にいよいよ長野県へ突入。さらに延々と続く長い登り坂を走り、見えてきたのは諏訪湖だ。キャラバンなら、諏訪湖の花火を見ながらオートキャンプを楽しむのにももってこいだ。
高尾山口からここ松本城までの甲州信濃路の走行距離は184.5km、所要時間は4時間半。到着時の外気温は33度。赤信号で止まった回数は、距離が長かったこともあって61回を数えたが、平均車速は29.7km/hに達し、平均燃費は7.1km/Lをマークした。なかなかやるではないか、キャラバン!
TEXT:岡本 幸一郎 PHOTO:小林 岳夫
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