新しいキャラバンをさっそく借り出し、いよいよ実力を試すことに。
ひとまずは、走りと燃費を計測するわけだが、それもただ走って燃費を測るわけじゃない。実際に使われる状態を想定して、キャラバンの広大な荷室に、概算約850kgの荷物を実際に積んでとにかく過酷な道のりを走破する。
ガソリン満タンでスタートし、平均燃費をチェックしつつ、燃料残量警告の表示が出るまで、いったいどこまで走れるかを試す。変に気を遣ったエコ運転もしない。
しかも高速道路は一切使わず下道のみを走るという、とにかくリアルなシチュエーションで検証することが本企画の条件だ。
しかも、ひとりではない。今回は頑固一徹、運送業一筋の父親に扮した筆者に、かわいい娘が供をする。娘役を買って出てくれたのはモデルの安枝瞳ちゃん(以下「やっさん」)。旅は道連れ。父娘で限界に挑戦だ。
用意されたクルマはガソリン車。ディーゼルより燃費が劣るが、極限状態で検証するにはもってこいだ。
スタート地点は、東京のど真ん中、青山神宮外苑。
過酷な道を求めると、やはり山越えは欠かせない。突き詰めると北アルプス越えが脳裏を過った。日本の屋根をキャラバンで越えてやる!いくぞ!やっさん!!ラジャー!!
すでに湿気も高く蒸し暑い午前8時、小雨のパラつく中をスタート。エアコンは新型キャラバンに装備されたオートエアコンを使って、25度のオートに設定。当てもなく少し北上してひたすら国道20号(甲州街道)を西へと向かう。この日は休日の朝だったせいか都心はかなり空いていたが、郊外に向かうに従い、行楽に向かうクルマで交通量が増していく。
八幡山付近から府中までは普段と変わらないノロノロ状態が続いた。
やはり約850kgもの荷物を積んだだけあって、とにかく重い。バスに乗っているみたい!とはしゃぐやっさん。今回の少し前に空荷のキャラバンで走る機会があったが、その時の印象とは大違い。
意外だったのは、この重さに対してしっかり加速してくれること。むろん約850kgも積んでいれば、それなりに重たいし、加速は鈍くなるのだが、思ったよりもしっかりとついてくる。ゼロスタートから、流れに乗せるまで、それほどストレスを感じない。トルクフルなディーゼルなら、もっとラクなのだろうが、ガソリン車も予想外に根性がある。
アクセルもブレーキもそうだが、2名乗車時では最大積載量1トンと謳っているとおり、その辺りしっかり担保して開発しているということに違いない。
ここまでの走行距離は43.8kmで、赤信号で止まった回数は35回、平均車速は21.5km/hと、速いマラソン選手と同じくらいのスピードか。
これだけ重いものを積み、ストップ&ゴーが多く車速も低かったわりには、まあまあの燃費だ。
TEXT:岡本 幸一郎 PHOTO:小林 岳夫
Supported by 日産自動車株式会社