高速道路では、静かさ、乗り心地の良さに加え、安定感の高さが印象的だった。これは一般道でのどっしり感につながるもので、接地長の長さが安定性を高めているということだろう。ハンドルにも適度な重さがあって、安心感もある。
安定感があるのに、転がり抵抗が少ないのもLE MANS Vの特徴の一つに挙げていいだろう。特に感じるのは、一定速で巡航しているとき、道路がわずかに下り坂になった時。車速を一定に保つためにアクセルをわずかに戻すが、車速の落ち方がとてもゆっくり…というか滑空しているような感じ。明らかにタイヤの転がり抵抗が少ないのを実感できる。全サイズ転がり抵抗AAだけの事はある。
静粛性では、とくにパターンノイズの少なさに感心した。速度が上がるほどパターンノイズはノイズとしての比率を高めてくる(ように思う)。ガードレールや側壁の反射音などでウイーンといったやや高めのノイズが聴こえてくるはずなのだが、それが極端に少ない。ダンロップによれば、SHINOBIテクノロジーによる新パターンの効果だという。実際これだけ静かだと、ナルホドと納得してしまう。
もう一つ。ジョイントなどの段差を高速で踏んだ時のショックがマイルドだ。突き上げはあるのだが、タイヤが上手にショックを吸収してくれる。これは柔らかさというよりダンピングの良さが効いてくる。SHINOBIテクノロジーによるサイドウォールの真円プロファイルが効いているのだと思う。
TEXT:斎藤聡 PHOTO:和田清志