トヨタ エスティマ オーナーズ レビュー(3/4)
- 筆者: オートックワン 編集部
- カメラマン:島村栄二
エスティマオーナー3 エスティマがひろげてくれた自分の世界
「自分のは特にいじってないから撮るとこないよ」撮影前、恥ずかしそうに古田賢治さんは笑った。愛車はエスティマ3.5 AERAS。V6エンジンと6ATの組み合わせから、パワーを活かした走りが出来るところが気に入っているという。
2.4リッターのモデルは燃費を考慮してCVTが採用されているが、古田さんの3.5リッターモデルは大きなエンジンパワーに対応出来るトルコン式のATを装備する。「結構長距離乗るから、排気量が大きい方が楽なんだよね」年間2万キロほど走るという古田さんには、エスティマで走る目的が何かありそうだ。しかしそれを尋ねてみても恥ずかしがって語ってくれず。「走る目的ねぇ・・・」
エクステリアをひと通り撮影し終え、インテリアを見せてもらうことにした。「中も何にもないよ」そういう古田さんだが、車内では2機の一眼レフカメラが出番を待っていた。聞けば古田さんの趣味は写真。彼が写真にのめり込んでいったのとエスティマとは、浅からぬ縁があるのだ。写真の話になると古田さんの弁は熱を帯び始めてきた。
かつてはトヨタ系自動車ディーラーに勤めていた古田さん。その関係もあって愛車はトヨタ車一筋で来た。
キャンプが好きだったこともあって、荷物の積めるワンボックス車を乗り継ぎ、前期型のエスティマを購入。それをきっかけに、オーナーズクラブの存在を知る。ディーラー関係者の視点でメカニカルなアドバイスを発信していたという。そんな折、古田さんは19年勤めたディーラーを退職する。忙しかったディーラー時代には打ち込めなかったカメラと、時間をともにすることが多くなっていった。
一番好きな被写体は夜景。たとえば富士山を撮影するために山中湖近辺に赴くこともあるそうで、天気を待つのに広い車内を持つエスティマは大変重宝するそうだ。ほかにも様々な場所にカメラを持って走る。 東京から山形まで日帰り800キロを走破したこともあるという。
「あの時はさすがに疲れたよ。エンジン大きいから疲れにくいし、もし疲れても、中で眠れるしね」カスタムするばかりがエスティマの楽しみ方ではない。趣味を楽しむためのツールとしてのエスティマの魅力を古田さんから教わった気がした。
あるオフ会時、集まったメンバーの娘さんを撮り、たまたま出品したコンテストで8,000通を超える応募の中から入選に輝く。それ以来、古田さんは写真撮影に熱中していった。「人に見てもらうってのがうれしいんだよね。それに評価とかしてもらえるとやる気が出る」エスティマを通じて出会った人。その人を通じて高めた自分の趣味。古田さんにとってエスティマは、まさに人生を楽しむためのクルマだったのだ。以来古田さんはオフ会の撮影担当として大活躍中。その写真を参加したメンバーも楽しみにしているという。「え、俺の娘?もう大学生だもん、カメラ向けると怒るんだよ」いつか愛娘を、もう一度ファインダーから覗いてみたい。メンバーの子供たちに向けてシャッターを切る背中が、そう語っているような気がした。
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