新型「C-HR」、トヨタとしてはかなりの冒険!ちょっと違った“攻め”のモデル(2/2)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:トヨタ自動車/山本シンヤ
C-HR量産仕様のデザインは開発初期からほとんど変更なし
続いて「格好」についてはどうだろうか?
「エクステリアはダイヤモンドをモチーフにしたパッケージ・プロポーションですが、デザイナーにはやりたいようにやってもらっています。ちなみに量産仕様のデザインは開発初期からほとんど変わっていません。タイヤは最大で18インチです。もちろん大きいほうがカッコいいですが、走りとのバランスを考えた結果です。
今回初公開のインテリアは『ドライビングポジション』と『質感』の部分を凄く気にしました。運転席はプリウスに対してフロアからヒップポイントまで55mm上げ、それに合わせて最適なステアリング/シフト/ペダルのレイアウトを作り込み、その上でフィーリングや触感などにもこだわりました。
また、ナビの位置やヒーターコントロールスイッチなども視線を落とさず、直感的な操作ができるようなレイアウトを心がけました。操作系は“クルマとの対話”に重要なアイテムです」。
エクステリアデザインを見る限りは、後席やラゲッジなどの居住性はあまり意識していないように見えるのだが…。
「フロントシートのヒップポイントはプリウスより上げていますが、リアシートはプリウスと一緒です。これによってこのデザインでも十分なスペースを確保しています。『狭いだろうな』と思って乗ると『あれっ!?』と思うでしょうね。
もちろん、穴蔵感やクーペ的なサイドウィンドウのため窓は小さめ、フロントシートも大きめなので“閉塞感”はありますがそれは意図的です(笑)。ラゲッジも同様で入らなそうに見えますが、一般的なゴルフバッグ1個を収納可能にしています。つまり、何が優先か…と言う判断の結果です」
スペック主義のこれまでのトヨタ車とは違う
このように、C-HRはプリウスと同じようにこれまでのトヨタ車とはちょっと違った“攻め”のモデルなのだ。「走りと格好はエモーショナル、つまり感性に訴えるものです。これまでトヨタは数値や燃費、広さ、装備などスペック主義だったと思いますが、C-HRは数値や測定値はあくまでもいいクルマ作りの“結果”に過ぎません。
そういう意味ではかなり冒険していますが、もしこのクルマがベストセラーのフルモデルチェンジならここまではできなかったでしょう。新たなジャンルへの挑戦だからこそ、自由に考えることができたと思っています」。
日本でも年内の発売予定に向けて、Webサイトや先行商談受付、プロトタイプ試乗会などの実施が発表されている。
古場氏の話を聞けば聞くほどクルマに対するハードルが上がっているのも事実だが(笑)、ステアリングを握るまであと少しの辛抱…である。
[Text:山本シンヤ]
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