新型「C-HR」、トヨタとしてはかなりの冒険!ちょっと違った“攻め”のモデル(1/2)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:トヨタ自動車/山本シンヤ
『トヨタもやっていますよ!』作戦は予想以上の反応
現在、世界的にクロスオーバーSUVブームで各モデルに様々なモデルがラインナップされている。トヨタも仕向け地に合わせてRAV4やハリアーなどをラインナップし、人気を博しているものの、次の一手が欲しい。そこで開発されたのが、世界戦略車となる新クロスオーバー「C-HR」である。
今年のジュネーブショーで量産仕様のエクステリアが公開されたが、パリモーターショーではインテリアを含む全容が公開された。
同時に日本仕様の概要も発表され、パワートレインは1.8リッターハイブリッド/1.2リッターターボ、シャシーはプリウスから採用されたトヨタのクルマ作りの構造改革「TNGA」の第2弾でザックス製ダンパーを採用。衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンスP」の全車標準装備を始めとする先進安全装備の充実などが公開されているので、ここではCE(チーフエンジニア)の古場博之氏に、このクルマへの想いをお届けしたいと思う。
実はこのC-HR、2014年のパリモーターショーで“純粋”なコンセプト、2015年のフランクフルトショーでは“量産に向けたアップデート版”のコンセプト、そして2016年に量産仕様と、他のクルマと比べる長めのスパンでチラ見せ(!?)してきた。
「クロスオーバーは世界中にライバルがいますので、いきなり『市販モデルです!』と言っても埋もれてしまいます。そのため、あらかじめ事前に情報を流して、『トヨタもやっていますよ!』と他のメーカーに流れないように…と言う作戦でした(笑)。各国の反応も予想以上で、インパクトはあったかと」。
スペックや数値よりも官能的な部分に注力
コンセプトの頃から古場氏は「クルマは『走り』と『格好』が大事」と語っていたが、それは量産モデルでも不変だ。
「走りに関しては、基本的には世界共通スペックです。もちろん車速の違いはありますが、気持ちいい所は一緒だと考えています。狙ったのは、足を固めてのスポーティさではなく、足をシッカリ動かしながら正確に動けるクルマを目指しました。
つまり、『何も考えずにドライバーが思い通り走れること』です。そのためにはレスポンス/リニアリティ/コンシステンシーが重要と、スペックや数値よりも官能的な部分に注力し、実験部と一緒に付きつめていきました。
そのため、ニュルブルクリンクでのテストの意義は非常に大きかったですね。通常は確認がメインなのですが、C-HRは現場でショックアブソーバーやEPSのチューニングを繰り返しました。そういう意味では、かなり泥臭い開発でしたね」。
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