DESIGNER’s ROOM vol.1 フェアレディZ 谷中譲治(2/4)

  • 筆者: オートックワン 編集部
  • カメラマン:田辺俊平(編集部)
DESIGNER’s ROOM vol.1 フェアレディZ 谷中譲治
アソシエイトチーフデザイナー 谷中譲治氏 アソシエイトチーフデザイナー 谷中譲治氏 デザインラフ フロントスタイリング ホイール リアスタイリング アソシエイトチーフデザイナー 谷中譲治氏 アソシエイトチーフデザイナー 谷中譲治氏 アソシエイトチーフデザイナー 谷中譲治氏 Zのテールランプ ラフデザイン シート 画像ギャラリーはこちら

センシャルメカニズム

編)ここからはそんなZのデザインについてですが、コンセプトであるZ-ness(ジィー・ネス)と、Newness(ニューネス)とは具体的に何を指しているのでしょうか。

Zのテールランプ ラフデザイン

谷中氏:まずZ-nessとは、お客様との“約束”を意味します。40年続くフェアレディZですから、それぞれのフェアレディZを気に入っていただいた方々が抱く新型への期待に、しっかり応えたいという気持ちがあります。

フェアレディZが持つ、スポーツカーとしての性能はもちろんのこと、普段使いでもちゃんと使えるユーザビリティ、そしてハッチバック&後輪駆動から成る独特のプロポーション。これらはある種フェアレディZの記号ですから、時代が変わっても、根幹であるZらしさと捉えて受け継いでいこうというのがZ-nessの考え方です。

そしてNewnessとは、 “時代に即したプロダクト”にするためにモデルごとに持たせるテーマを意味します。実はフェアレディZは特定の世代、例えば団塊世代向け、といったような開発をしていません。もしそうするとフェアレディZというブランドがその世代と一緒に歳をとっていってしまうからです。先代はリバイバル日産の象徴、がテーマでした。今回はグローバルに戦うスポーツカーの名に恥じないダントツの性能とスタイルを目指そう、と。そういった時代に即したテーマを掲げることでブランドの価値をいつの時代でもフレッシュなものにしておきたいのです。

そこでデザインとしてはフェアレディZをただの機械の塊としてではなく、“センシャルメカニズム”つまり艶っぽい道具として表現していこうという狙いを掲げ、これを“Newness”としました。

編)スポーツカーって、私のイメージでは、団塊の世代より上の人たちが乗って、はじめて絵になるという印象があるのですが、このZは、それこそ20代の人が乗っても不思議とマッチしてみえる“漲るパーソナルデザイン”という印象を受けました。

そこで、このZの力強いデザインを完成させるにあたり、他のセクションとのやり取りで、苦労された点とかはありましたか。

アソシエイトチーフデザイナー 谷中譲治氏

谷中氏:例えば今回の新型フェアレディZは先代よりも100mmホイールベースを短くしています。我々も先代より短くしたほうが、かっこいいというイメージが最初からありました。でも、これはデザインサイドだけの意見で決めたのではなく、技術セクションの走行性能に対する考えと一致した結果です。その他にも、エンジン位置や、ドライビングポジションなど、デザインに大きく関わってくる部分などは、お互いの意見を尊重しながら進めました。幸いうまく連携できたと思っています。

もともとみんなクルマ好き、とりわけてZが好きですから、たとえ他のセクションと意見衝突したとしても、イヤだとか、苦労だとかは思わないでしょうね(笑)

編)なるほど、どのセクションも作りたいZの方向性は一致していたのですね。素晴らしい!なんだか運命共同体みたいなものを感じます。

シート

谷中氏:ただ、デザイン初期段階のオープンコンペに出てきたスケッチたちには困りましたね(笑)

みんな好き勝手に描いてくるんですよ。エンジニアに見せれば当然、「このボンネットの低さではエンジンが入らない!」とか、「サーキットではヘルメット被って乗るんだから、このルーフの低さじゃダメだ!」とか、色々と注文が入ります。つまりここからがデザインの難しい部分になってくるわけです。

3連メーター

当然人間工学が大きく関与して来ますし、走行性も重視したプロポーションも考えなくてはならない。尚且つ、Zらしさもアピールさせなくてはならない。性能だけもしくはデザインだけのクルマなんか作りたくないわけですから、みんな必死です。こういった要求値の高いエモーショナルが売りのクルマというのは、とても大変でしたが作っていて面白かったですね。

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筆者オートックワン 編集部
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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