マツダが挑戦する「ものづくり改革」はスゴイけど伝わりづらい理由(2/3)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:茂呂幸正
マツダの熱い想い、「一括企画」
周知の通り、マツダのクルマ造りは、2012年登場した「CX-5」から大きく変わった。
マツダでは「CX-5」を筆頭に、「アテンザ」「アクセラ」「デミオ」「ロードスター」「CX-3」と続いたFMC(フルモデルチェンジ)群を「第六世代」と呼ぶ。
第六世代では、「魂動デザイン」、「スカイアクティブ」、そして「ものづくり革新」の三本柱を主張してきた。
これらと同時に、商品企画から製造までの流れを、社内全体がしっかりと把握する「一括企画」により、プラットフォームの共通化や採用部品の最適化を図ってきた。
一括企画によって、新技術を早期に他モデルに反映させる「横展開」が可能となった。
「改良」をより効果的に活用する戦略
その結果、これまでは約6年毎のFMCの中間に行ってきた、いわゆるマイナーチェンジよりも短い期間での「改良」が可能になった。
こうした「改良」は、トヨタをはじめとして、日系各メーカーも行うようになったが、マツダの場合、日系ビック3と比べて主力車種が少ないこともあり、「改良」をより効果的に活用する戦略をとっている。
マツダとしては、「新車を発表した後でも、さらなる改良に注力し、より良い製品を、より早くユーザーに届けたい」という、モノ作りに対する熱い想いがある。
だが、ユーザーにとって、その想いが「常にポジティブ」であるとは言えない。
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