ヨコハマタイヤ アドバンネオバAD08 試乗インプレッション(4/4)
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:荒川正幸(走行シーン)/ 吉澤憲治(置撮)
AD07を越える予想以上のグリップを体感
さて、アドバン ネオバ AD08をトライしたのは筑波サーキット。ロードスター、BMWなどFRからヴィッツレース仕様のFF、ランサーEVOⅨ、ⅩのAWD。ポルシェのRRなどなど。さらに午前ウェット、午後ドライと言う条件にも恵まれて、両方の状態で性能を確認することができた。
これまでのAD07もそのグリップ性能と耐久性で一級品だったが、アドバン ネオバ AD08はさらに進化していた。EVOⅩでのAD07とアドバン ネオバ AD08の比較では、AD07がコーナーのアプローチでスッとリアを流せて、姿勢を早く作ることができる代わりに、ドライバーもその性能を理解していた方が良い場面があった。
ところがアドバン ネオバ AD08ではグリップに粘りがあり、同じ様にリアを流して姿勢変化を作っても、ドライバーのコントロール幅が広がり、扱いやすくなっている。さらに違うのは縦方向のグリップ、つまりブレーキと加速だ。コーナリングフォースが大きくてトラクションがかかるので、コーナーの立ち上がり速度に差がつく。グイグイとコーナーを走ることが出来る。この性能はアドバン ネオバ AD08の単独評価となったEVOⅩ以外でも共通した印象だ。
またウェット性能にはドライ以上の性能差があった。ドライ性能が高いタイヤはウェット性能が落ちる傾向にあるが、シトシト降る雨の中でもアドバン ネオバ AD08は予想以上のグリップ力を発揮して、ドライで感じたようなシットリとしたグリップフィーリングがある。もちろんウェトではドライと同じように走れるわけではないが、扱いやすさとグリップはピュアスポーツタイヤの中でもグンを抜いているだろう。
サーキットで力量を発揮するタイヤだが、普通に使ってもグリップの高さによる余裕と安全性は他に代えがたいものがある。代償として乗り心地とノイズは多少の我慢が必要だが、スポーツモデルなら十分に妥協できるだろう。
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