F1の夏休みはFIAの監視下でメールすら出せない「強制的な活動休止命令」発令!?(2/2)
- 筆者: 山口 正己
レッドブル
言うまでもなく、レッドブルはエネルギー飲料プロモーションの一環としてF1活動を行なっている。レッドブルがF1にさわやかな新風を吹き込んだのは間違いないところだ。
ヨーロッパが舞台となる通称“ヨーロッパラウンド”のF1パドックには、マシンやパーツを運ぶトランスポーターと、VIPゲストのホスピタリティを行なうモーターホームの『F1村』が建ち並ぶが、モーターホームの中でもレッドブルは独特。
エナジー・ステーションと呼ばれる2階建てのそこは、素晴らしくフェアなムードに溢れている。ホスピタリティの考え方は各チームそれぞれ。ランチを例にとると、フェラーリはブッフェ式、メルセデスやルノー、マクラーレンは、レストランのようなオーダー式だが、レッドブルは、小皿料理が5~6皿用意され、セルフサービスでいただく。しし唐のグリル、肉や魚の料理、パスタ、デザートなど、それぞれがおいしいのは当然として、敷居の高さが非常に低い。ウェルカム・ムードが心地よい。
レッドブルが標榜する自由なイメージが徹底しているから、入り口でパスをチェックしているスタッフも、皿を片づける女性たちも、アルコールを提供する担当も、ホスピタリティをよく理解しているフレンドリーなメンバー揃いだ。
ウィリアムズ
元々F1チームは、F1グランプリという高度なレースを戦うレーシングチームだったが、1970年代に煙草メーカーのスポンサーが勢力を付けた辺りから、少しずつ様変わりしてきた。
スポンサーのためのチームが隆盛を誇る中で、唯一今でもレーシングチームとして参戦を続けているのが、ウィリアムズだ。第二期ホンダF1時代には、マクラーレンやロータスと共にホンダ・エンジンの供給を受け、ワールドチャンピオンになっているが、当時から闘将フランク・ウィリアムズのチームは、F1になくてはならない存在だった。
F1の最高権力者のバーニー・エクレストンが、F1の三つの宝として、フェラーリ、モナコと並べてウィリアムズを挙げているのは、純然たるレーシングチームだからに違いない。成り立ちや形の違いを感じつつF1グランプリを眺めると、違った闘いが見えてくるかもしれない。
夏休みを挟んで、8月28日に闘いを再開するF1グランプリをそんな視点で、どうぞ。
[Text:山口正己]
この記事にコメントする