マツダフェスタ 2008 メディア対抗レースレポート(4/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
メディア4耐 初参戦を終えて
いい道具というのは使い手を選ばないものだ。
例えば包丁。難しい食材を裁つための鋭利な切れ味を誇るプロ用の包丁を、主婦が自宅のキッチンで使っていけないことはない。例えば楽器。プロミュージシャンが愛でるような音色を奏でる名器を、アマチュアミュージシャンが使用しても何ら不都合が出ることはない。いや、弾き手に迅速な上達を促してくれる可能性すらある。
包丁にせよ、楽器にせよ、たとえプロ用をチョイスしても、使い手である私たちがいい道具の使い方を誤る可能性は無い。
メディア4耐に初出場し、マツダ・ロードスターを走らせながら私はそんなことを思った。ロードスターは決して”プロ用”のクルマではないし、プロドライバーが率先して選ぶクルマとは言い難い。しかし、実に懐の深いクルマであることを再認識した次第である。というのもこのレース、プロのドライバーも多く参加して、全チームイコールコンディションのロードスターを走らせているのだ。
現役かどうかはこの際問わないが、百戦錬磨のレーサーの方々と同じマシンで戦うのがこのメディア4耐のひとつの醍醐味。私が操るロードスターとはまるで異なる挙動を示し、瞬く間にオートックワン・ロードスターを抜き去っていくのはそんなレーサーたちが駆るロードスターだ。
そんなプロレーサーたちの操作も、私の素人まがいの操作も、実に正直に走りに現してくれる。上手く扱えばそれだけ上手く走ってくれるクルマなのだ。このクルマとともにカーライフを送れば必ずや運転が上達する。筑波サーキットのコーナーを立ち上がりながら、私は強く思った。重ねて言うが、マツダ・ロードスター、実に懐の深いクルマなのである。
中島 俊介/編集部
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