アップルのcarOSは来年に持ち越し?自動運転EVの本命「アップルカー」は2017年6月に登場か(1/2)
- 筆者: 桃田 健史
アップルの恒例行事WWDC2016が開幕
やっぱり、「carOS」は来年以降に持ち越しか・・・
アップルの恒例行事・WWDC(2016年6月14~17日)が、米サンフランシスコ市街のビル・グラハム・シビック・オーディトリアムで開催された。
WWDCとは、ワールド・ワイド・デベロッパーズ・カンファレンスのこと。MacやiPhoneなど、アップル製品に関する技術開発について社外に向けた大規模な発表を行う場だ。
WWDCはアップル創世記の80年代に形が作られていたが、世界の注目が集まるようになったのは90年代後半から。CEOや各部門の開発責任者が、大きな舞台でプレゼンテーションを行うスタイルとなった。これを、グーグルやアマゾンなど、アップルに対する「次の世代のITベンチャー」たちも参考とし、「I/O」などが行われるようになった。
そうしたなか、アップルが築き上げたのは、アップル自身がハードウエアとソフトウエアのプラットフォームを企画・製造し、顧客が直接利用する「アプリ」の開発のほとんどをサードパーティに委ねるというエコシステムだ。SDK(ソフトウエア・デベロップメント・キット)を一般公開し、応募があったアプリのなかからアップルが選別して販売。売り上げに対して、事前に取り決めた契約条件に基づき、デベロッパーにロイヤリティ(権利使用料)を支払う仕組みである。
その規模は現在、アプリ総数が200万で、ダウンロード数は地球全人口の20倍近い1300億に達した。さらに、デベロッパーに対するロイヤリティの支払い総額は、500億ドル(約5兆3000億円)と巨額だ。
4つのプラットフォーム
WWDC2016でアップルが強調したのが、「iOS」、「watchOS」、「tvOS」、そして(OSX改め)「macOS」という4つのプラットフォームだ。ここでいうOS(オペレーティングシステム)とは、演算における基本的なルールである。そのルールを、小型携帯端末、腕時計型のウェアラブル、テレビ、小型コンピュータの4つの領域それぞれの使い勝手に応じたカスタマイズをしている、ということだ。
このなかで、クルマに直結するのが「iOS」だ。いまから3年前のWWDC 2013で初公開された「iOS in the car」。それが9ヶ月後に、量産型の「カープレイ」へと進化。スイス・ジュネーブショーで、メルセデス、フェラーリ、そしてボルボの3社が量産車に実装したモデルを世界初公開した。「カープレイ」とは、スマートフォンと車載器を連携させるプラットフォームである。
こうしたアップルの動きに、グーグルも素早く反応して、アンドロイドフォンと車載器が連携する「アンドロイド・オート」を発表した。
2015年になると、北米市場で発売されるほとんどの新車で、「カープレイ」「アンドロイド・オート」の双方に対応していた。
一方で、日本市場では、アフターマーケットや輸入車のごく一部で「カープレイ」に対応しているのみで、日系メーカーの新車導入については、「日本語対応の準備がさらに必要」(日系メーカー関係者)で量産は未定だ。
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