自宅のテレビは薄型になったのに、カーナビはなぜインパネ埋め込みのままなのか。僕がずっと疑問に思っていたことだ。しかも既存のカーナビは、多くがDINという規格の制約を受けている。これではデザイン的な発展は望めないと考えていた。
だからこそストラーダの新作CN-F1Dを見て、ついにきたか!という気持ちになった。ディスプレイが2DIN枠から浮かんでいるようなフローティング構造を採用したことで、9インチという大画面を実現するとともに、そこで得られた造形の自由度を存分に活用していたからだ。
なによりも、カーナビは四角いというイメージを脱却したのが画期的だ。
左右をゆったりラウンドさせたフォルムが、見ても触れても心地良い。曲線を多用した今のクルマのインパネに、真四角な筐体はそぐわないと思っていただけに、カーナビのデザインがカーデザインに追いついたと感じた。
質感についても、CN-F1Dは既存のカーナビから一歩抜け出した。ディスプレイを取り巻くアルミフレームが、高品質感をアピールしている。しかも埋め込み式の従来型では前面に配していたロゴやスイッチがない。フローティング構造のメリットを生かし、アルミフレームにロゴやスイッチを埋め込んだのである。
感心するのは、スイッチの位置がドライバーから近い右上に寄せられており、微妙な凹凸がつけられているので、ブラインドタッチが可能であることだ。運転を日常的に行っているデザイナーが考えたのだろう。美しさと使いやすさを両立したこの配置、素晴らしい。
デモカーのプリウスをチェックしてみると、下にあるエアコンスイッチの操作に支障がなく、上にあるルーバーは冷風を車内全体に行き渡らせるべく、上向きにセットすることが多いので問題なかった。パネルからディスプレイが離れたフローティング構造の恩恵はここにもあったのである。
画面表示では、ツートップメニューに好感を抱いた。右にナビ、左にオーディオの操作系をまとめ、指でスライドさせるだけで切り替えできるだけでなく、ナビ系はブルー、オーディオ系はグリーンと色分けしてあるので、一瞬見ただけでどちらが表示されているのかが分かる。安全性も高い。
単にフローティング構造を採用しただけではない。最大の利点である大画面はもちろん、最新のインテリアデザインに通じる造形と質感を盛り込み、スイッチや画面表示はドライバー目線の設計が施されている。
ここまでデザインで語れるカーナビ、人間工学を実感できるカーナビが出てきたことが喜ばしい。ぜひ販売店で実際に触れて、フォルムやクオリティを確認してみていただきたい。
従来のボディ一体型ディスプレイとは異なり、独特の浮遊感があるフローティング構造を採用することで、曲面の大きなダッシュボードなどインテリア形状の影響を受けにくくなり、今まで大画面ナビを取り付けるのに必要とされる専用パネルを使用することなく、多くの車種に搭載することを可能としています。
ナビ本体から浮き出すディスプレイがドライバーとの距離を縮め、視認性と操作性がより一層向上しました。
遠くまで手を伸ばさず画面にタッチすることができるため、より安定した姿勢でボタンを操作することができます。
ディスプレイと本体の接続部分には上下/前後スライド機構と角度調整ヒンジを備えました。必要な距離をアジャストさせることでインテリアとの干渉を避け、より使いやすい位置に配置することが可能となっています。
※ハザード、ウインカー、シフトレバーなど、操作の妨げにならない位置に調整してください。